選定のヒント【か行】

Oリングをはじめとするシール材(パッキンやガスケット)を適正にお選び頂く為に、規格や仕様ほか、生産や設計、使用などに係る幅広い専門用語をまとめて解説いたします。製品の選定と最終的な判断はお客様ご自身にお願いしておりますが、参考として活用して頂ければ幸いです。

Oリング選定ガイドライン

カーボンブラック

カーボンブラックとは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。石油や天然ガスを不完全燃焼させることで生じる炭素の微粒子(煤)で、補強性充填材として広く使用されています。Carbon Black。

関連:配合剤

外圧用

Oリングの使用に於いて外圧用とは、平面固定のOリングに外側からの圧力が加わる用途のことです。Oリングは内径が溝の内壁に密着するように設置します。

詳細:使用方法

外観基準

外観基準とは、未使用Oリングの表面欠陥に係る許容限度を定めた基準のことです。JIS B 2401では、表面欠陥の種類をバリやひけ(バックラインディング)といった項目に分類し、3段階の品質等級(N、S、及びCS)別に各項目の最大許容限度を規定しています。尚、一般に流通している殆どの規格Oリングは、等級Nに準じて製作されています。

詳細:外観基準

外径

Oリングの寸法表記に於いて外径とは、Oリング外側の直径のことを指します。Oリングの寸法は線径と内径で表記するのが一般的ですが、Oリングの装着に於いて外周面が重要になる場合などでは、外径も併記されることがあります。「外径=内径+線径×2」。OD。

詳細:寸法一覧

ガイドピン

ガイドピンとは、プレス成形の金型に於いて開閉時に固定側と可動側が正確な位置でかみ合うように、可動側金型にガイドとして用いられるピンのことです。

ガイドブッシュ

ガイドブッシュとは、プレス成形の金型に於いて、開閉時に固定側と可動側が正確な位置でかみ合うように、ガイドピンと嵌合する相手方のブッシュのことです。

外部離型剤

外部離型剤とは、Oリングなどのゴム製品の圧縮成形に於いて、架橋された製品を金型から外し易くする為に、予め金型に塗布する薬剤のことです。界面活性剤などが用いられます。

架橋

架橋とは、原料ゴムの分子鎖間を複数の化学結合で結び、ゴム材質としての弾性などが付与される反応のこと、若しくはOリングなどのゴム製品の製造に於いて、その反応を促す工程のことです。加硫。

詳細:架橋

架橋ゴム

架橋ゴムとは、ゴムコンパウンドを架橋して得られたゴム、つまりはゴム材質のことです。加硫ゴム。

架橋剤

架橋剤とは、ゴム材質に用いられる原材料のひとつです。原料ゴムに混合して加熱することで、原料ゴムを架橋状態にする為の配合剤です。

架橋助剤

架橋助剤とは、ゴム材質に用いられる原材料のひとつです。架橋効率を向上し、材質の特性を良化させる為の配合剤です。一般的には硫黄加硫ではなく、パーオキサイド加硫などで添加されるものを指します。

架橋点

架橋点とは、ゴム材質の網目構造に於いて、高分子鎖が架橋されている点のことです。架橋点の構造は、架橋の方法によって異なります。

関連:架橋

架橋密度

架橋密度とは、ゴム材質の単位体積中に存在する架橋点の数のことです。物理的性質の支配因子の一つで、一般に架橋密度が高くなるほど弾性率は高く、伸び率と膨潤度は小さくなります。網目密度。

関連:架橋

角ガスケット

角ガスケットとは、主に真空フランジに使用されている固定用シールのことです。旧JIS B 2290では、角形ガスケットとして規定されていました。形式1と形式2という2種類の断面寸法が存在し、形式1の方が小さい断面となっています。古い規格ですが、形式2の角ガスケットは現在でも多く流通しています。

角溝

角溝とは、Oリング溝の断面形状のひとつです。スタンダードな形状として最も広く採用されています。

加工助剤

加工助剤とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)の内、加工操作を容易にする為に用いられる薬剤の総称です。軟化剤や硬化剤、離型剤などが該当します。

関連:配合剤

過酸化物架橋

過酸化物架橋とは、有機過酸化物を添加して架橋することです。水素引抜反応で分子鎖に生成したラジカルが再結合されます。この方法で架橋されたゴム材質は、硫黄加硫を用いたものと比較して耐熱性や耐酸化性が優れます。パーオキサイド加硫。

かじり

かじりとは、Oリングの典型的な故障のひとつです。Oリングが部分的に抉り取られたような欠損状態を指します。

加水分解

加水分解とは、ゴム材質に発生する劣化現象のひとつです。水や水蒸気が耐水性に劣る材質に作用して、Oリングなどのゴム製品を粉々にしてしまいます。ウレタンゴム(U)系の材質で顕著に見られる現象です。

詳細:加水分解

ガスクロマトグラフィー

ガスクロマトグラフィーとは、移動相が気体(不活性ガス)であるクロマトグラフィーのことで、添加剤分析やブリード物の分析などに多用されています。Gas Chromatography。GC。<JIS K 0114, JIS K 0123>

ガスケット

ガスケットとは、固定または静止状態で用いられるシール部品の総称です。固定用Oリングなどが該当します。固定用シール。<JIS A 5756, JIS B 2401, JIS B 2406, ISO 3934, ISO 5892>

ガス透過性

ガス透過性とは、ゴム材質を通して気体が通過する性質のことです。尚、透過係数は気体の溶解度と拡散速度の積で求められるとされています。気体透過性。<JIS K 6275, JIS K 7126, ISO 2782, ISO 15105>

ガスバリア性

ガスバリア性とは、ゴム材質を通して気体が通過しない性質のことです。尚、透過係数は気体の溶解度と拡散速度の積で求められるとされています。<JIS K 6275, JIS K 7126, ISO 2782, ISO 15105>

可塑化

可塑化とは、物質に対して熱やせん断歪みを加えたり、別の物質を添加したりすることによって、可塑性を与えることです。

関連:混練材料

可塑剤

可塑剤とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。柔軟性や加工性を向上させる為に使用される添加剤の総称です。軟化剤。

関連:配合剤

可塑性

可塑性とは、弾性限界以上の応力によって生じた歪みが、応力を取り除いてもそのまま残るような性質のことです。

関連:ゴム弾性

ガソリン用ゴム

燃料油(ガソリン・軽油・灯油など)に対する耐性を持つゴム材質のことで、フッ素ゴム(FKM)系の材質ほか、ニトリルゴム(NBR)系の材質でも耐油性が強化されているNBR-70-2(2A)やHNBR-70などのOリング材質が相当します。

型キズ

型キズとは、製造設備(副資材)の不備による外観不良のひとつで、金型のキャビティーに付いた傷が原因でOリングなどのゴム製品表面に生じる傷のことです。

硬さ

硬さとは、ゴム材質の物性を表す値のひとつです。一般的には単位としてデュロメータA(JIS A)を用いて0〜100の数値で表記します。数字が大きいほど硬い材質であることを表し、Oリングでは性能バランスの良いJIS A70が、多くの材質で標準の硬さとして採用されています。硬度。<JIS K 6253, ISO 48, ISO 7619>

詳細:硬さ

硬さ試験

硬さ試験とは、ゴム材質の硬さを測定する試験のことで、デュロメータ硬さ(スプリング式)や国際ゴム硬さ(定荷重式)が用いられます。<JIS K 6253, ISO 48, ISO 7619>

詳細:硬度試験

滑石

滑石とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。水和ケイ酸マグネシウムを主成分とする鱗片状の無機充填材で、非補強性の充填材などとして使用されています。タルク。

関連:配合剤

金型

金型とは、Oリングなどのゴム製品を製造する為の設備(副資材)のひとつです。多くのOリングは一体金型による圧縮成形によって生産されている為、それぞれのサイズに対して一品一様の金型が必要です。但し、送り加硫による成形が可能な大口径Oリングについては、その限りではありません。また、同じサイズのOリングであっても、収縮率の違いから金型を共用できないゴム材質があります。コンプレッションモールド。

ガラス転移温度

ガラス転移温度とは、冷却されたゴム材質が過冷却液体を経てガラス状態となる温度のことです。通常、Oリングのシール機能は、各材質のガラス転移温度よりも10℃ほど高い温度域で失われます。

加硫

加硫とは、原料ゴムの分子鎖間を複数の化学結合で結び、ゴム材質としての弾性などが付与される反応のこと、若しくはOリングなどのゴム製品の製造に於いて、その反応を促す工程のことです。架橋。

詳細:加硫

加硫温度

加硫温度とは、加硫操作が行われる温度のことです。Oリングの圧縮成形(プレス工程)では、130℃〜200℃程度の範囲が一般的です。

加硫曲線

加硫曲線とは、加硫過程のゴムコンパウンドについて、その物性を加硫時間に対してプロットした曲線のことです。一般にキュラストメーターによって求められます。

加硫ゴム

加硫ゴムとは、ゴムコンパウンドを加硫して得られたゴム、つまりはゴム材質のことです。架橋ゴム。

加硫剤

加硫剤とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。原料ゴムに混合して加熱などの処理を行うことで架橋させる、硫黄や硫黄化合物といった添加剤の総称です。

加硫接着

加硫接着とは、安価な大口径Oリングなどの製造で採用されている方法です。ゴム紐に接着剤を塗布して先端同士を繋げ、加硫して接合します。送り加硫で製造されたOリングと比較して性能が劣る為、推奨していません。尚、ゴムを加硫と同時に金属などに接着をすることを指して加硫接着と呼ぶ場合もあります。

加硫促進剤

加硫促進剤とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。加硫剤と作用して加硫速度を増すことで、加硫時間の短縮、加硫温度の低下、加硫剤の減量、Oリング材質の物性向上などを担います。

加硫促進助剤

加硫促進助剤とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。加硫促進剤を活性化して促進反応を更に増大します。

加硫プレス

加硫プレスとは、Oリングなどのゴム製品を製造する為の設備のひとつで、電気などで加熱される熱盤間にゴムコンパウンドを詰めた金型を設置し、油圧によって圧縮成形を行う装置です。

加硫用金型

加硫用金型とは、Oリングなどのゴム製品を製造する為の設備(副資材)のひとつで、ゴム材質を所要の形状に加硫する為に用いる金属製の型のことです。Oリングの圧縮成形で用いられる一般的なものは、上型と下型(及び中型)で構成されています。コンプレッションモールド。

カルボキシル化NBR

カルボキシル化NBRとは、第三成分としてアクリル酸またはメタクリル酸などを共重合して、カルボキシ基(官能基−C(=O)−OH)を導入したNBRのことです。分子鎖間の凝集力が高いことから強度面に優れています。XNBR。

カルレッツ

カルレッツとは、デュポン社(アメリカ合衆国)の生産する各種パーフロ(FFKM)材質に係る商品名です。尚、Oリングなどの製品状態でのみ販売されている為、原料ゴムは流通していません。Kalrez®。

環境劣化

環境劣化とは、外部からの物理的・化学的な作用の影響を受けてゴム材質の特性が低下する不可逆的な変化のことです。Oリングの選定では、材質が保有する熱や薬品などに対する耐性を考慮する必要があります。

乾式シリカ

乾式シリカとは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。四塩化ケイ素を酸素・水素雰囲気下で燃焼した二酸化ケイ素の微粒子で、補強性充填材として広く使用されています。ホワイトカーボン。

関連:配合剤

機械的性質

機械的性質とは、ゴム材質の物理的性質の中でもOリングの性能に大きく影響する力学的な性質のことです。「硬さ」、「引張強さ」、「伸び率」、「100%引張応力」、そして「圧縮永久歪み」の5項目で比較評価するのが一般的です。機械特性。

詳細:物性

機械特性

機械特性とは、ゴム材質の物理的性質の中でもOリングの性能に大きく影響する力学的な性質のことです。「硬さ」、「引張強さ」、「伸び率」、「100%引張応力」、そして「圧縮永久歪み」の5項目で比較評価するのが一般的です。機械的性質。

詳細:物性

幾何学的非線形性

幾何学的非線形性とは、力の釣合が物体や構造の変形に依存したり、変位が歪みに比例しなくなったりする性質のことです。ゴム材質の大変形などで見られます。

規格

規格とは、製品や材料、工程などに対して定義された基準のことで、日本国内のOリングでは日本工業規格によるJIS B 2401が代表的です。尚、Oリングに於いては多くの場合、寸法に係る様々な規格のことを指しています。

関連:寸法規格

気体透過性

気体透過性とは、ゴム材質を通して気体が通過する性質のことです。尚、透過係数は気体の溶解度と拡散速度の積で求められるとされています。ガス透過性。<JIS K 6275, JIS K 7126, ISO 2782, ISO 15105>

機能性ゴム

機能性ゴムとは、通常のものには無い特定の機能を付与したゴム材質、若しくは原料ゴムの総称です。各種フッ素ゴムを最も得意としている桜シール社では、フッ素ゴムに特化した機能性ゴムシリーズ(フロロパワーシリーズ)を展開しています。

キャビティー

キャビティーとは、Oリングなどのゴム製品を成形する金型に於いて、製品の部分を成す空間部分のことです。取り数の多い量産金型では、キャビティー毎に付番して製品品質を管理することで、生産の安定化を図ります。

キュラストメーター

キュラストメーターとは、加硫過程のゴムコンパウンドに対して一定の振動変形を加えた際の応力を測定し、加硫曲線を導き出す為の加硫/硬化特性試験機のことです。

強アルカリ用ゴム

強アルカリ性の液体は、油や蛋白質といった有機物を分解する強力な薬品で、剥離剤などに使用されています。接触するOリングなどのゴム製品には、パーフロ(FFKM)系やアフラス(FEPM)系の高機能材質を用いる必要があります。

強酸用ゴム

酸性度の強い液体は、無機酸(鉱酸)の硝酸や塩酸、硫酸などが代表的ですが、これらは活性な液体である為、ゴム材質の分子構造に反応し易い性質があります。従って、強酸に接触するOリングなどのゴム製品には、高い結合エネルギーと安定した構造を有するFKM(3元系)やFEPM、FFKMなどによる材質を選択する必要があります。

共重合

共重合とは、2種類以上のモノマーを用いた重合のことです。生成物は共重合体と呼ばれ、その中のモノマー単位の配列によって交互共重合やランダム共重合に分類されます。

関連:原料ゴム

共役二重結合

共役二重結合とは、二つ以上の二重結合が単結合を挟んで交互に連なっている二重結合のことです。

関連:原料ゴム

極高ニトリルゴム

極高ニトリルゴムとは、原料ゴムのひとつです。結合アクリロニトリル量が重量当たり43%を超えるニトリルゴム(NBR)のことを指します。Ultrahigh Nitrile Rubber。

極性溶剤用ゴム

極性基を持つ有機溶媒は、有機物を溶解する性質を持つことから耐性の低いゴム材質を膨潤させてしまいます。溶解性の弱いエタノールやIPAなどには多くのゴム材質が耐性を示しますが、強力な溶解性を持つMEKやアセトン、メタノールなどに対しては、パーフロ(FFKM)系をはじめとする高機能材質を選択する必要があります。

切り返し

切り返しとは、ゴムコンパウンドの製造工程に於いて、オープンロールで行われる操作のひとつです。素練りや混練りの際、ロール上のゴム生地を端から切り取って再びロール上に返す操作を繰り返すことで、配合剤の分散などを補助します。

食切り溝

食切り溝とは、Oリングなどのゴム製品を成形する金型に於いて、製品本体に接近した薄いバリの外側に肉厚部を作ることで、強度の差を利用してバリの除去を容易にすることが出来る構造のことです。

グイチ

グイチとは、Oリングなどのゴム製品を成形する金型に於いて、上型と下型の位置がずれていることです。グイチの金型で成形されたOリングは、パーティングラインに沿って段差が出来てしまいます。

空気加熱老化試験

空気加熱老化試験とは、ゴム材質を加熱空気によって促進老化させて物性値を測定し、老化前後の値を比較して熱老化特性を評価する試験のことです。<JIS K 6257, ISO 188>

クーラント用ゴム

クーラントに接触するゴム材質は、エチレングリコールなどに対する耐性が必要です。エチレンプロピレンゴム(EPDM)系の材質などが相当します。不凍液用ゴム。<JASO F404>

口金

口金とは、ゴム紐などを製造する為の設備(副資材)のひとつです。押出成形に於いて押し出されるゴムを所定の断面形状にする為に取り付けます。ダイ。

関連:ゴム紐

クリープ

クリープとは、ゴムや樹脂に応力を与えたとき、歪みが時間と共に増加していく現象のことです。フッ素樹脂(PTFE)にはゴム材質のような柔軟性や復元性は有りませんが、クリープに係る歪みの増加(応力の緩和)は短時間で起こってその後は僅かなので、ガスケットとして使用されるOリングでは一定の機能を果たすことが出来ます。

クレー

クレーとは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。主としてカオリナイト(Al2O3・2SiO2・2H2O)を主成分とするカオリンクレー(チャイナクレー)が用いられ、粒子径でハードクレー(補強性)とソフトクレー(非補強性)に分類されます。

関連:配合剤

グレード

Oリングの外観基準に於いてグレードとは、未使用Oリングの表面欠陥に対する3段階の許容限度のことです。JIS B 2401では、表面欠陥の種類をバリやひけ(バックラインディング)といった項目に分類し、グレード(N、S、及びCS)別に各項目の最大許容限度を規定しています。尚、一般に流通している殆どの規格Oリングは、グレードNに準じて製作されています。品質等級。

詳細:品質等級

クロマトグラフィー

クロマトグラフィーとは、固定相と移動相での分配平衡定数が物質によって異なることによる分離現象を利用して、物質を成分毎に分離する方法のことです。Chromatography。

クロロプレンゴム

クロロプレンゴムとは、原料ゴムのひとつです。最も早く開発された合成ゴムで、耐油性や耐候性を有しています。CR-70をはじめとするOリング材質(ゴム材質)に用いられています。CR。Chloroprene Rubber。

経年劣化

経年劣化とは、時間経過に伴ってOリングなどのゴム製品の性質が変化することです。要因としては、使用による機械的影響などの他、保管に於ける大気や温度などを挙げることが出来ます。

ゲーマンねじり試験

ゲーマンねじり試験とは、低温に於けるゴム材質のねじり剛性(ねじりに対して復元モーメントを示す性質)から、耐寒性を評価する試験のことです。尚、Oリングの試験として採用されることは稀です。低温ねじり試験。<JIS K 6261, ISO 1432>

結合アクリロニトリル量

結合アクリロニトリル量とは、ニトリルゴム(NBR)に於けるアクリロニトリル共重合量のことで、通常は重量当たりの比率(wt%)で表されます。増加すると耐油性や耐摩耗性、機械特性が向上しますが、耐寒性や伸び、弾性は低下します。

結合エネルギー

結合エネルギーとは、原子間の結合の強さの尺度です。ゴム材質に於いては、耐熱性や耐薬品性に大きく影響します。

結晶性

結晶性とは、重合体を構成する分子鎖に於いて、規則正しく配列した結晶状態がどの程度であるかの目安です。PTFEなどのフッ素樹脂材質は結晶性が高いのに対し、ゴム材質は非晶質です。

検査

Oリングなどのゴム製品に対しては、製造から出荷に至るまでに様々な検査が実施されます。特にエアキズのような成形不良については、発生率を低減することは出来ても完全に無くすことがゴム材質の特性上困難である為、検査が大変重要な意味を持ちます。

詳細:検査

原料ゴム

原料ゴムとは、ゴム材質の主原料です。配合剤の添加や架橋が行われる前の状態で、そのままでは弾性体としての強度や復元性、伸縮性などは殆どありません。様々な性能の多くは原料ゴムに由来します。ベースポリマー。

詳細:原料ゴム

高圧力用ゴム

Oリングなどのシール製品に於いて高圧力用ゴムとは、シール対象から高い圧力を加えられても形状が変形し難いゴム材質のことです。ウレタンゴム(U)系や水素化ニトリルゴム(HNBR)系の材質が際立って優れています。尚、同系列の材質では、硬さが高いものほど良好な耐圧性を有しています。

高温用ゴム

Oリングなどのシール製品に於いて高温用ゴムとは、高い温度域でも引張特性などが低下し難いゴム材質のことです。汎用ではシリコーンゴム(VMQ)系やフッ素ゴム(FKM)系などの材質が該当します。また、高機能ゴム材質ではパーフロ(FFKM)系の耐熱グレードなどが当て嵌まり、より高い温度で使用することが出来ます。

硬化劣化

硬化劣化とは、ゴム材質に生じる劣化現象のひとつです。耐熱性や耐薬品性などが環境に適合していないことに因り、Oリングなどのゴム製品が硬く脆くなって弾性を失ってしまいます。

高機能ゴム

高機能ゴムとは、通常のものには無い特定の機能を付与したゴム材質、若しくは原料ゴムの総称です。各種フッ素ゴムを最も得意としている桜シール社では、フッ素ゴムに特化した高機能ゴムシリーズ(フロロパワーシリーズ)を展開しています。

硬質ゴム

硬質ゴムとは、一般に硬さがA90を超えるゴム材質のことです。Oリングよりもゴム板などの製品として広く流通しています。

高真空用ゴム

Oリングなどのシール製品に於いて高真空用ゴムとは、高真空の圧力領域でも気体(空気)が透過し難いガスバリア性に優れたゴム材質のことです。フッ素ゴム(FKM)系の材質などが相当します。

合成ゴム

合成ゴムとは、化学的に合成されたゴム弾性を示す重合体の総称です。大半のOリングは、合成ゴムによって造られています。Synthetic Rubber。

硬度

硬度とは、ゴム材質の物性を表す値のひとつです。一般的には単位としてデュロメータA(JIS A)を用いて0〜100の数値で表記します。数字が大きいほど硬い材質であることを表し、Oリングでは性能バランスの良いJIS A70が、多くの材質で標準の硬さとして採用されています。硬さ。<JIS K 6253, ISO 48, ISO 7619>

詳細:硬度

高ニトリルゴム

高ニトリルゴムとは、原料ゴムのひとつです。結合アクリロニトリル量が重量当たり36〜42%のニトリルゴム(NBR)のことを指し、NBR-70-2(2A)などのOリング材質(ゴム材質)に用いられています。High Nitrile Rubber。

鉱物油用ゴム

鉱物油用ゴムとは、天然由来の原油を精製した一般的な石油系油に耐性を持つゴム材質のことです。ニトリルゴム(NBR)系をはじめとする多くの材質が相当しますが、シリコーンゴム(VMQ)系やエチレンプロピレンゴム(EPDM)系の材質は適合しません。

高分子

高分子とは、分子量の低い分子による、特定の化学構造の繰り返しで構成された分子量の高い分子のことです。

関連:原料ゴム

甲丸ガスケット

甲丸ガスケットとは、主に真空フランジに使用されている固定用シールのことです。旧JIS B 2290では、甲丸形ガスケットとして規定されていました。形式1と形式2という2種類の断面寸法が存在し、形式1の方が小さい断面となっています。現在ではあまり使用されなくなってきていますが、古い真空機械などでは見かけることがあります。

甲山ガスケット

甲山ガスケットとは、主に真空フランジに使用されている固定用シールのことです。元来は日本真空技術社(現:アルバック社)が社内規格の真空ガスケットとして規定したものですが、現在では一般的な規格として幅広く使用されています。甲丸ガスケットよりも初期のつぶし力を弱くすることが出来ることから、特に大型フランジでは重用されている形状です。

高溶出性

高溶出性とは、Oリング(ゴム材質)の溶出性に係る4段階の目安(アセトンやトルエン、メタノールといった溶解性の高い液体に対する溶出性を総合的に判断したものであり、液体の種類や溶出物の種類は限定していない参考指標)のひとつです。3周期以降の元素の溶出量が1ppc(1%)以上のものを指し、油空圧工業や飲食料品製造などで用いられているNBR(ニトリルゴム)系やVMQ(シリコンゴム)系といった大半のゴム材質が、これに該当します。

国際ゴム硬さ

国際ゴム硬さとは、国際標準化機構(ISO)で規格化されたゴム硬さ試験による硬さの単位です。試験片に対してプランジャーを一定の力で押し付けた時の変位量を硬さの尺度として規格化し、IRHDを単位としています。IRHD。<JIS K 6253, ISO 48, ISO 7619>

国際標準化機構

国際標準化機構とは、電機分野を除く工業分野の国際規格を策定する為の非政府組織のことです。一般にISOと呼ばれ、国際標準化機構が発行した規格のこともISOと呼びます。ISO。

極低溶出性

極低溶出性とは、Oリング(ゴム材質)の溶出性に係る4段階の目安(アセトンやトルエン、メタノールといった溶解性の高い液体に対する溶出性を総合的に判断したものであり、液体の種類や溶出物の種類は限定していない参考指標)のひとつです。3周期以降の元素の溶出量が10ppb(0.000001%)未満のものを指し、高純度薬品製造や半導体製造に於けるウェット工程装置などで選択される特殊なゴム材質(フロロパワーAPPやフロロパワーDEP、フロロパワーFFPなど)が、これに該当します。有機化合物であるゴムや樹脂は、炭素や水素、酸素、フッ素といった元素を基軸に構成されています。それらがOリングなどの製品に加工される過程では、添加物として金属元素などが加えられたり、製造過程で金属や人の手が接触したりすることで、意図せず微量な不純物(鉄、ニッケル、ナトリウム、カルシウムなど)が混入することとなります。それらの微細な不純物の溶出が一般的な製品用途で問題となることはまずありませんが、前述のような極めて高純度な薬品が必要とされる条件下などでは、溶出物によって薬品の純度が下がるのを避ける為、極低溶出性の材質が選択されます。

故障

Oリングの使用に係る故障は、その多くが材質選定や装着方法の不備に起因しています。故障の発生時には、不具合現品の外観状態などを調査することで原因を特定し、適正な対策を講じる必要があります。

固着

Oリングなどのゴム製品に於いて固着とは、製品と固体材料(金属やガラス、プラスチックなど)とを長時間に亘って圧力下で接着させておくと、その間に接着強さが発生する現象のことです。固着初期は物理結合による粘着力ですが、時間経過や温度の上昇などと共に化学反応による接着強さが加わります。

固定用Oリング

固定用Oリングとは、固定装着して使用するOリングの総称です。円筒溝で使用する円筒面固定用と、平面溝で使用する平面固定用に細分類されます。

固定用シール

固定用シールとは、固定または静止状態で用いられるシール部品の総称です。固定用Oリングなどが該当します。ガスケット。<JIS A 5756, JIS B 2401, JIS B 2406, ISO 3934, ISO 5892>

粉蒸し加硫

粉蒸し加硫とは、蒸気加硫のひとつです。未加硫ゴムを無機粉末(タルクやクレーなど)の中に埋め込み、直接蒸気を送り込んで加硫を行います。チューブ製品などで採用されている方法です。

ゴム

ゴムとは、常温でゴム弾性を示す高分子物質のことです。以前は天然ゴム(NR)を指してゴムとされ、合成ゴムを指すエラストマーと区別されていましたが、現在では区別されていません。Rubber。

ゴム板

ゴム板とは、連続加硫によって生産された板状のゴム製品のことを指すのが一般的です。但し、高い製品品質が要求される場所で使用されるものの多くは、圧縮成形によって生産されています。ゴムシート。

詳細:ゴム板

ゴムコンパウンド

ゴムコンパウンドとは、原料ゴムに配合剤を混練りした未加硫ゴム配合物、つまりは架橋される前のゴム材質のことです。配合ゴム。

ゴム材質

ゴム材質とは、ゴムコンパウンドを架橋して得られたゴム、つまりは架橋ゴムのことです。加硫ゴム。

ゴムシート

ゴムシートとは、連続加硫によって生産された板状のゴム製品のことを指すのが一般的です。但し、高い製品品質が要求される場所で使用されるものの多くは、圧縮成形によって生産されています。ゴム板。

ゴム弾性

ゴム弾性とは、小さい外力で変形し易く、高伸長性(100%以上)を示し、外力を取り除くと短時間でほぼ元の形に復元する性質のことです。

詳細:ゴム弾性

ゴム紐

ゴム紐とは、押出成形によって生産された紐状のゴム製品のことを指すのが一般的です。但し、高い製品品質が要求される場所で使用されるものの多くは、送り加硫(送り焼き)成形によって生産されています。

詳細:ゴム紐

ゴム寄せ

ゴム寄せとは、オープンロールに使用される部材のひとつです。ロールに沿った形状のプレートを両端に取り付けることで、混練り中のゴムがはみ出して軸受けに侵入するのを防止します。ゴム寄せの一部が破損してゴムコンパウンドに混入することがある為、単純な構造ながら注意して保守を行う必要があります。ロールストックガイド。

ゴムライニング

ゴムライニングとは、金属配管などの耐食性や耐薬品性、耐摩耗性を向上する為、ゴム材質によって防護被覆を施すことです。巻き蒸し加硫などで施工されます。

コンタミネーション

コンタミネーションとは、半導体や液晶ほか、食品や医薬品などの製造工程に於ける汚染のことで、略してコンタミと呼ばれることもあります。コンタミネーションを嫌う環境で使用されるOリングなどのゴム製品では、目的成分以外の有害な物質が混入するのを避ける為、最適な材質を選定する必要があります。

混練り

混練りとは、原料ゴムと配合剤を混合し、機械的せん断力や伸長力を加えて可塑性を持たせ、配合剤をゴム中に分散させる作業のことです。

詳細:混練り

コンプレッションセット

コンプレッションセットとは、潰した(圧縮した)ゴム材質が一定の状態までしか復元せず、変形して戻らないことです。Oリングの寿命を計る指針として効果が高く、圧縮永久歪み試験から「圧縮永久歪み率(%)=(潰す前の試験片厚み−潰した後の試験片厚み)/つぶし代×100」を求めて評価するのが一般的です。圧縮永久歪み。<JIS K 6262, ISO 815>

コンプレッションモールド

コンプレッションモールドとは、Oリングなどのゴム製品を製造する為の設備(副資材)のひとつで、所謂金型のことです。多くのOリングは一体金型による圧縮成形によって生産されている為、それぞれのサイズに対して一品一様のモールドが必要です。但し、送り焼き成形が可能な大口径Oリングについては、その限りではありません。また、同じサイズのOリングであっても、収縮率の違いからモールドを共用できないゴム材質があります。加硫用金型。

選定のヒント(専門用語)

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