Oリングをはじめとするシール材(パッキンやガスケット)を適正にお選び頂く為に、規格や仕様ほか、生産や設計、使用などに係る幅広い専門用語をまとめて解説いたします。製品の選定と最終的な判断はお客様ご自身にお願いしておりますが、参考として活用して頂ければ幸いです。
Oリングなどのゴム製品に於いて材質は、性能(耐熱性や耐寒性、耐薬品性、耐圧性、耐候性など)を決定する最も重要な要素のひとつです。使用環境に係る「温度」、「圧力」、「接触対象」などを勘案し、最適なものを選択する必要があります。
Oリングのサイズは「線径+内径」の組み合わせで表すのが一般的ですが、その多くはサイズ規格の中から選定されている為、「サイズ規格名+呼び番号」の表記で流通しています。溝の設計と併せて、最適なものを選定する必要があります。寸法。
最大膨潤とは、平衡膨潤や無限膨潤にならず、膨潤度(膨潤の程度を表す指標)が最大値を示した後に減少に転ずる膨潤に於いて、その最大値のことを指します。
最適加硫とは、ゴム材質の物性が最高値を示す架橋状態のことです。但し、多くの物性値は負の相関関係にある為、実際は様々な物性値の妥協点のことになります。
サイフェルとは、原料ゴム或いはゴム材質としてのFFKO(パーフルオロポリエーテルゴム)に対する通称として用いられることがありますが、厳密には信越化学工業社の生産する同材に係る商品名です。SIFEL®。
サニタリーガスケットとは、食品や医療品の製造で使用される配管継手用ガスケットのことです。ヘルールガスケット。
三角溝とは、Oリング溝構造のひとつです。機器の簡略化で用いられますが、Oリングを三方向から潰すことから負荷が高く、Oリングの寿命は短くなります。
酸化第二鉄は、Oリングなどのゴム製品に多用されている赤色の顔料のことです。VMQ-70(4C)やU-70といったOリング材質の赤色は、酸化第二鉄によります。ベンガラ。
酸化劣化とは、ゴム材質が酸素による劣化を受けて諸性能を低下させることです。多くは新たな架橋構造が形成されて硬化劣化しますが、主鎖が切断されて軟化劣化するものもあります。
三次元網目構造とは、ゴム材質に於いて、多数の高分子鎖が互いに架橋して三次元的に網目状になっている分子構造のことです。網目構造。
残留歪みとは、ゴム材質に対して変形を加え、その負荷から開放して放置しても元に戻らずに残存する歪みのことです。永久歪み。<JIS K 6273, ISO 2285>
Oリングの製造に於いて仕上げとは、プレス(圧縮成形)工程が完了してバリが付いたシート状の半製品からバリを取り除く工程のことを指します。食切り溝などを活用して手作業で毟り取る方法のほか、抜き型や自動バリ取り機などを使用する方法が広く採用されています。トリミング。
シアノ基とは、1価の官能基−C≡Nのことで、炭素はsp混成を持ち、強い電子吸引基です。ニトリルゴム(NBR)系の材質が保有する耐油性は、シアノ基の極性に由来しています。ニトリル基。
シーティングとは、Oリングなどのゴム製品の製造に於いて、オープンロールなどを用いて所定の厚さと幅、長さのシート状ゴムコンパウンドを作製する工程のことです。分出し。
シールとは、流体を所定の場所に封じ込める(密封する)為の機械要素の総称です。パッキンとガスケットに分類され、形状や材質などを最適に組み合わせることにより、様々な環境に対応することが出来ます。密封装置。
ジエン系ゴムとは、共役二重結合を持つジエンモノマー(同一分子内に二つの炭素−炭素二重結合を持つモノマーの総称)を原料にしたゴムのことです。
Oリングの試験成績書とは、一般に材質の性能などを証明する目的で物性試験データなどが記載された書類のことを指します。ミルシート。
シックネスゲージとは、厚さを精密に測定する為の機器です。1/100mmの目盛を持ち、所定の荷重を掛けて測定を行います。尚、シックネスゲージはOリングの線径を測定する為に広く使用されている測定機器のひとつですが、荷重がゴム材質を押し込んでしまうことから、正確な計測が難しい場合があります。測厚機。<JIS K 6250, ISO 23529>
湿式シリカとは、Oリング材質(ゴム材質)に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。ケイ酸ナトリウム水溶液を酸またはアルカリ雰囲気下で中和して製造した二酸化ケイ素の微粒子で、補強性充填材として広く使用されています。ホワイトカーボン。
シッピングプラグとは、塗料やゴミ(ダスト)の付着防止、及びねじ山の保護に用いられるキャップ(プラグ)のことです。マスキングキャップ。
質量分析法とは、物質を種々の方法でイオン化し、生成されたイオンを質量/電荷数(m/z)に基づき分析部で分離、検出器で捕集し、記録する方法のことです。Mass Spectrometry。MS。
Oリングの自動検査機は、Oリングの寸法(内径・外径・線径)と外観(バリ・キズ・へこみなど)を画像処理によって無人で検査するものが一般的です。小さなOリングを高速で検査するのに適しており、桜シール社では、内径が70mm未満の量産Oリングで広く採用しています。
自動酸化とは、ゴム材質に於いて酸素の反応で生成した過酸化物からラジカル連鎖反応が進行し、劣化が引き起こされることです。
Oリングなどのゴム製品のバリを自動で取り除く為の設備はいくつかのタイプに分類されますが、Oリングでは冷却式のタンブラータイプ(低温でガラス状態になっている半製品を所定の回転バレルに投入して、脆くなったバリを機械的に除去するタイプ。タンブリング。)が広く採用されています。
ジメチルシリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつです。置換基が全てメチル基のみのシリコーンゴムで、ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)に比べて加硫が困難である他、耐熱性や圧縮永久歪みなどが劣ります。尚、Oリングに使用されることは稀です。メチルシリコーンゴム。MQ。Dimethyl Silicone Rubber。
自由回転鎖とは、1本の高分子鎖の広がりを議論する為に用いられるモデルのひとつです。
重合とは、モノマーまたはモノマー混合物からポリマーを生成する反応のことです。
収縮率とは、Oリングなどの圧縮成形によるゴム製品が、金型の寸法よりも縮まって成形される加硫収縮比率のことです。ゴム材質の種類によって異なります。尚、収縮は加硫反応や揮発性添加剤の揮散などによって発生します。
Oリングの寸法表記に於いて周長とは、線径の中心を軸としたOリング周囲の長さ、つまりはOリングを切断して紐状にしたものの長さのことを指します。Oリングの寸法は線径と内径で表記するのが一般的ですが、大口径Oリングを矩形溝で使用する場合などでは、線径と周長で表記することがあります。「周長=(内径+線径)π」。LE。
充填材とは、ゴム材質の補強や増量などの為に用いられる配合剤のことです。無機充填材と有機充填材に細分類されます。フィラー。
摺動性とは、ゴム材質の摩擦や摩耗の性質のことです。尚、運動用Oリングでは、溝部の金属材質などについても考慮する必要があります。
主鎖とは、高分子に於いて長い鎖状の分子構造の骨格を成す部分のことです。ゴム材質の耐熱性や耐薬品性などに最も大きな影響を与えます。
純粋性とは、ゴム材質からのアウトガスや溶出成分が少ない性質のことです。半導体の洗浄工程などで使用する低パーティクル性に優れた材質が相当します。
ショア硬さとは、Oリング材質(ゴム材質)に於いては、デュロメータ硬さと同じです。デュロメータ試験機を考案したショア社(アメリカ合衆国)に由来します。<ISO 7619>
蒸気加硫とは、押出成形によるゴム製品に広く採用されている加圧蒸気による加硫のことです。粉蒸し加硫や裸蒸し加硫、巻き蒸し加硫などに細分類されます。
蒸気用ゴムとは、水蒸気への耐性を持つゴム材質のことです。水蒸気の温度が150℃を超える場合は、高機能ゴム(フロロパワーシリーズ)を推奨いたします。スチーム用ゴム。
衝撃ぜい化温度とは、規定の条件下でゴム材質に衝撃曲げを加えた際、その半数が破壊されてしまう温度のことです。尚、破壊が生じない最も低い温度を衝撃ぜい化限界温度といいます。<JIS K 6261, ISO 812>
小口径Oリングとは、内径の小さなOリングのことですが、具体的な寸法が定義されている訳ではありません。一般にはP-3(JIS B 2401)よりも小径のOリングや、SS規格のOリングなどを指します。
常態物性試験とは、Oリング材質(ゴム材質)の物性評価に於ける基本項目の内、「硬さ」「引張強さ」「伸び率」「100%引張応力」の4項目を常温で測定する試験のことです。<JIS K 6251, ISO 37, ASTM D412, JIS K 6253, ISO 48, ISO 7619>
食品衛生法とは、飲食に関する安全性の確保を目的とした法律です。Oリングでは、「厚生省告示第370号 ゴム製の器具又は容器包装の規格」を基準として、各材質に対して適合性の確認を行っています。
ショットとは、特定の金型を用いて成形を行った回数の単位です。尚、金型の老朽化をショット数で管理する方法がありますが、Oリングで使用する圧縮成形金型には、あまり効果的ではありません。
シリカとは、Oリング材質(ゴム材質)に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。補強性の充填材として広く使用されている二酸化ケイ素の微粒子のことで、乾式シリカと湿式シリカに細分類されます。ホワイトカーボン。
シリコンゴムとは、原料ゴムのひとつであり、主鎖にシロキサン結合を持つゴムの総称です。尚、シリコンとシリコーンについては、英語表記のSilicone(シリコーン)Rubberに倣って、元素としてのケイ素を指すSilicon(シリコン)とは異なるとする向きがありますが、慣用的には区別されていません。シリコーンゴム。
シリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつであり、主鎖にシロキサン結合を持つゴムの総称です。耐熱性や耐寒性に優れますが、物性は劣ります。一般にはビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)のことを指し、VMQ-70(4C)やVMQ-50といったOリング材質(ゴム材質)に用いられています。シリコンゴム。Silicone Rubber。
シロキサン結合とは、ケイ素原子と酸素原子との結合(≡Si−O−Si≡)のことで、各種シリコーンゴム(VMQやFVMQなど)に共通する基本骨格です。
真空ガスケットとは、真空フランジ(真空装置に於いてチャンバーとポンプなどを接続する為の真空部品)に装着して用いられるガスケットの総称です。V規格を中心とするOリングのほか、角ガスケット(角リング)、甲山ガスケット(甲山リング)、甲丸ガスケット(甲丸リング)などが用いられています。
真空成形とは、Oリングなどのゴム製品の圧縮成形に於いて真空プレス機を用いる方法のことです。ゴムコンパウンドを金型の上で加熱軟化させる際、その間にある空気を真空ポンプで減圧排除し、エアキズを防止します。
真空配管継手用Oリングとは、真空配管に於いて着脱が容易なクランプ継手に装着して用いられるOリングのことです。一般的には、センターリングと一緒に取り扱われます。
真空フランジ用Oリングとは、真空フランジ(真空装置に於いてチャンバーとポンプなどを接続する為の真空部品)に装着して用いられるOリングのことです。V規格のOリングが相当します。
浸漬試験とは、液体にゴム材質を浸漬し、浸漬前後の寸法や質量、体積、表面積、機械的性質などの変化を調べる試験のことです。<JIS K 6258, ISO 1817>
伸長比とは、ゴム材質などの試験片初期長を1として、何倍伸びたかを表した値のことです。λで表されます。
水素化ニトリルゴムとは、原料ゴムのひとつです。ニトリルゴム(NBR)の変性品に当たり、二重結合に貴金属触媒を用いて水素を付加することで、耐熱性や耐候性、機械的性質などが強化されています。HNBR-70などのOリング材質(ゴム材質)に使われています。水添NBR。HNBR。Hydrogenated Acrylonitrile-Butadiene Rubber。
水添ニトリルゴムとは、原料ゴムのひとつです。ニトリルゴム(NBR)の変性品に当たり、二重結合に貴金属触媒を用いて水素を付加することで、耐熱性や耐候性、機械的性質などが強化されています。HNBR-70などのOリング材質(ゴム材質)に使われています。水素化ニトリルゴム。HNBR。Hydrogenated NBR。
スーパーグロース法とは、カーボンナノチューブを生産するための手法のひとつです。触媒金属のナノ粒子と炭化水素を熱分解してカーボンナノチューブを生成するCVD法の一種であり、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトの成果を基に産総研(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)によって開発されました。極微量の水分添加によって合成雰囲気にある触媒の寿命を飛躍的に延ばすことで、従来と比較して極めて効率的にカーボンナノチューブを生産する事が可能となります。
スクレーパーとは、機械装置の内部にダスト(埃などのゴミ)が侵入するのを防ぐ為に用いられる油空圧シリンダー用のシール(ワイパー)のことです。通常、Oリングやオイルシールなどのパッキン類と併用されます。ダストシール。
スコーチとは、ゴムコンパウンドが貯蔵中、或いは加硫工程以前の加工作業中に初期加硫を起こしてしまうことです。尚、貯蔵中に発生するスコーチは、ビン加硫と呼ばれて分類されることがあります。早期加硫。
スチーム用ゴムとは、水蒸気への耐性を持つゴム材質のことです。水蒸気の温度が150℃を超える場合は、高機能ゴム(フロロパワーシリーズ)を推奨いたします。蒸気用ゴム。
スチレンブタジエンゴムとは、原料ゴムのひとつです。スチレンとブタジエンの共重合体で、耐候性や耐摩耗性に優れており、タイヤや防振ゴムで多用されていることから最も生産量の高い合成ゴムです。但し、Oリングではあまり多くは使われておらず、代わりにエチレンプロピレンゴム(EPDM)が選択されています。SBR。Styrene-Butadiene Rubber。
ステアリン酸とは、1価の直鎖飽和脂肪酸です。加硫促進助剤や軟化剤、内部離型剤などの配合剤として、広く用いられています。
ストックブレンダーとは、オープンロールに付属する装置のひとつです。切り返しを機械的に行うことが出来ます。ブレンダー。
素練りとは、ゴムコンパウンドの製作工程に於いて、原料ゴムを練り込むことで分子凝集(会合)を解したり分子鎖を切断したりして、可塑化を促す操作のことです。高温素練りと低温素練りに細分類されますが、Oリング材質のゴムコンパウンドには、室温付近で行う低温素練りを行うのが一般的です。
スパイラルとは、バックアップリング(Oリング補助部品)の形状のひとつです。環状構造が渦巻状で作られており、他の形状よりも高価ですが、強度と装着性の両面に優れています。T1。
スピューとは、圧縮成形に於いて、金型分割部分の隙間から溶融して溢れ出たゴム材質が、そのままOリングなどのゴム製品の表面に固化付着したもののことです。次工程(仕上げ)で除去されますが、その痕跡(パーティングラインや仕上げ跡)が製品の性能に影響することもあります。バリ。
Oリングの寸法は「線径+内径」の組み合わせで表すのが一般的ですが、その多くは寸法規格の中から選定されている為、「寸法規格名+呼び番号」の表記で流通しています。溝の設計と併せて、最適なものを選定する必要があります。サイズ。
成形とは、材料(ゴムコンパウンドなど)を加工して必要な寸法を有する製品(Oリングなど)を組み立てること、若しくはその工程のことです。但しOリングに於いては、圧縮成形によって成形と架橋が同時に行われることが殆どである為、多くの場合は成形に架橋の意味も含んで使われています。
成形圧力とは、圧縮成形や押出成形などの成形工程で用いられる圧力のことです。
成形収縮とは、圧縮成形や押出成形などによる製品が、冷却時に示す収縮のことです。
静止摩擦係数とは、静止している物体の接触面と平行な方向に外力を加えた際、その接触面に生じる逆方向の力と物体の質量の比のことです。<JIS K 7125, ISO 8295>
一部を除いた殆どのOリングは、圧縮成形によって生産されています。Oリングの圧縮成形は大きく一体金型成形と送り加硫(送り焼き)成形に分類することが出来ますが、どちらも高い性能のOリングを生産することが出来ます。
静的試験とは、負荷を一定時間変化させずに行う試験のことです。弾性体の場合は引張試験機で連続的に負荷を変化させても静的な引張試験と同じ結果が得られることから、ゴム材質の引張試験にも拡大適用されています。
静電防止ゴムとは、電荷の蓄積を防ぎ、電荷を消失させる程度に導電性を付与したゴム材質のことです。静電気による火災や製品の汚れ防止を目的としており、体積抵抗率で104〜108Ω・cmになる程度に導電性のカーボンブラックが配合されています。帯電防止ゴム。
赤外線吸収分光法とは、試験片に波長を連続的に変化させた赤外線を照射し、その吸収スペクトルから有機物質の分析を行う方法のことです。ゴム材質では、原料ゴムや添加剤の同定や官能基の評価を行うことができます。IR。
切断時伸びとは、一軸伸長を与えたゴム材質の破断点までの伸びのことです。初期に対する比率(%)で表します。伸び率。<JIS K 6251, ISO 37>
Oリングの製造に於いて接着とは、安価な大口径Oリングなどの製造で採用されている方法のことを指します。ゴム紐に接着剤を塗布して先端同士を繋げます。送り加硫で製造されたOリングと比較して性能が大幅に劣る為、推奨していません。
セットとは、ゴム材質に対して変形を加え、その負荷から開放して放置しても元に戻らずに残存する歪みのことです。また、コンプレッションセット(圧縮永久歪み)の略称として用いられる場合もあります。永久歪み。<JIS K 6273, ISO 2285>
ゼットポールは、原料ゴム或いはゴム材質としてのHNBR(水素化ニトリルゴム)に対する通称として広く用いられています。但し、厳密には日本ゼオン社の生産する原料ゴム(各種HNBR)に係る商品名です。Zetpol®。
セミコンとは、セミコンダクター(半導体)の略称です。伝導体と絶縁体の中間の電気伝導度(10-6S/m程度)を持つ物質のことですが、一般的には半導体素子のことを指す通称として使われています。トランジスタやダイオード、或いはその集積回路(ICなど)といった半導体素子はコンタミネーションに弱い為、製造装置で使用されるOリングなどのシール製品には、高度な低パーティクル性(耐プラズマ性)を有する高機能ゴム材質が用いられています。半導体。
セミポジティブ型とは、Oリングなどのゴム製品の圧縮成形で使用する金型の細分類です。圧縮成形用の金型では最も一般的なタイプで、プレス成形機による全圧力を金型で受け、キャビティー内の成形材料には圧力の一部しか掛かりません。半圧縮型。
セルフシールパッキンとは、流体圧力がシール面の接触圧力を増加させて密封するパッキンのことです。
全硫黄とは、ゴム材質に含まれている硫黄の全量のことです。加硫剤として加えられた硫黄、含硫黄有機化合物、硫化物、無機充填材などの硫黄が含まれます。<JIS K 6233, ISO 6528, ASTM D 297>
Oリングの寸法表記に於いて線径とは、Oリング断面の直径を指します。Oリングの寸法は線径と内径で表記するのが一般的ですが、Oリングの装着に於いて外周面が重要になる場合などでは、外径も併記されることがあります。「線径=(外径−内径)/2」。太さ。W。
センターリングとは、真空配管継手(真空配管に於いて着脱が容易なタイプの継手)に於いて、Oリングと一体で装着されるシール部品のことです。NWセンターリング。
選択吸収性とは、混合溶媒による浸漬試験に於いて、ゴム材質が特定の溶媒を吸収する傾向のことです。
せん断とは、ゴム材質に対して外力が作用した時、選択された点(面)と向かい合う面とが互いに逆方向にずれようとする現象のことです。
線膨張係数とは、一定の圧力下で温度を1K変化させた試験片の長さについて、変化量と元の長さの比を表したものです。尚、Oリングに於いては、ゴム材質の弾性によって多少の変化から影響を受けることは殆どありません。但し、パーフロ(FFKM)系の材質は線膨張係数が高いことから、特定の用途では極稀に変化を考慮する場合があります。
早期加硫とは、ゴムコンパウンドが貯蔵中、或いは加硫工程以前の加工作業中に初期加硫を起こしてしまうことです。尚、貯蔵中に発生する早期加硫は、ビン加硫と呼ばれて分類されることがあります。スコーチ。
Oリングを機械(溝)に取り付ける際、無理な力を加えたり機械の一部に接触したりすることで、Oリングを損傷させてしまうことがあります。ねじれや噛み込みといった装着不備を防止する為にも、十分に注意を払った適切な取付を行って下さい。取り付け方。
側鎖とは、高分子の分子鎖から伸びている枝のことです。ゴム材質の耐熱性や耐薬品性などに影響を与えます。
促進老化とは、加熱空気や加圧加熱空気、加圧加熱酸素などの中にゴム材質を放置して、老化を促進することです。耐老化性を短期間で評価する為に行われます。<JIS K 6257, ISO188>
測厚機とは、厚さを精密に測定する為の機器です。1/100mmの目盛を持ち、所定の荷重を掛けて測定を行います。尚、測厚機はOリングの線径を測定する為に広く使用されている測定機器のひとつですが、荷重がゴム材質を押し込んでしまうことから、正確な計測が難しい場合があります。シックネスゲージ。<JIS K 6250, ISO 23529>
ソルベントクラックとは、ゴム材質を応力の掛かった状態で有機溶剤に浸漬した際、亀裂が発生して破断に至る現象のことです。