選定のヒント【ま行】

Oリングをはじめとするシール材(パッキンやガスケット)を適正にお選び頂く為に、規格や仕様ほか、生産や設計、使用などに係る幅広い専門用語をまとめて解説いたします。製品の選定と最終的な判断はお客様ご自身にお願いしておりますが、参考として活用して頂ければ幸いです。

Oリング選定ガイドライン

巻き蒸し加硫

巻き蒸し加硫とは、蒸気加硫のひとつです。未加硫ゴムを型(金属の芯材)に巻き、蒸気によって加硫を行います。大きなチューブ状のゴム製品の他、ゴムライニングなどの製作に用いられている方法です。

摩擦係数

摩擦係数とは、2つの物体が荷重Wの下に接触する際の摩擦力(接触面に於いて運動方向と反対方向に発生する抵抗力)をFとしたときのF/Wのことです。運動しようとするときのそれを静止摩擦係数といい、運動するときのそれは動摩擦係数といいます。

摩耗抵抗

Oリングなどのゴム製品に於いて摩擦抵抗とは、摩擦によって表面が減ったり削れたりするなどの損傷に対するゴム材質の抵抗性、または耐久性のことです。Oリングでは、ウレタンゴム(U)系の材質が際立って優れた耐久性を有しています。耐摩耗性。

マスキングキャップ

マスキングキャップとは、塗料やゴミ(ダスト)の付着防止、及びねじ山の保護に用いられるキャップ(プラグ)のことです。シッピングプラグ。

マスターバッチ

マスターバッチとは、原料ゴムにカーボンブラックなどの配合剤を高濃度に混合したもののことです。一般には、原材料メーカーによって加硫剤などを除いた殆どの配合が完了しているプリコンパウンドゴムを指します。

丸め通し

丸め通しとは、ゴムコンパウンドの製造工程に於いて、オープンロールで行われる操作のひとつです。素練りや混練りの際、ロール間を通過したゴム生地を巻き取って縦にし、再度ロールに戻して練ることで配合剤の分散を補助します。

未加硫ゴム

未加硫ゴムとは、加硫前の原料ゴム、若しくはゴムコンパウンドのことです。

ミキシングロール

ミキシングロールとは、ゴムコンパウンドの製作に用いられる装置のひとつです。かみ合う方向に異速で回転しているロールの間に原料ゴムと配合剤を投入してせん断と伸長を促し、混練りを行います。オープンロール。

溝とは、Oリングを装着する為に設けられたくぼみのことです。Oリングを正常に機能させるには、溝の形状や寸法、加工方法などが適正である必要があります。

密封装置

密封装置とは、流体を所定の場所に封じ込める(密封する)為の機械要素の総称です。運動シール(パッキン)と固定用シール(ガスケット)に分類され、形状や材質などを最適に組み合わせることにより、様々な環境に対応することが出来ます。シール。

密閉型混練機

密閉型混練機とは、ゴムコンパウンドの製作に用いられる装置のひとつです。ニーダーなどの回分式混練機のことを指します。インターナルミキサー。

ミルシート

Oリングのミルシートとは、一般に材質の性能などを証明する目的で物性試験データなどが記載された書類のことを指します。試験成績書。

ムーニー粘度

ムーニー粘度とは、未加硫ゴムの粘度のことです。ムーニー粘度計(未加硫ゴムに対する回転トルクから粘度や加硫特性を測定する装置)で求められます。<JIS K 6300, ISO 289, ASTM D 1646>

無機充填材

無機充填材とは、ゴム材質の物性改善や増量を目的として配合される無機粉末(炭酸カルシウムなど)の総称です。

関連:配合剤

無限膨潤

無限膨潤とは、原料ゴムが膨潤して膨らみ続け、やがて溶解することです。ゴム材質は、網目構造によって平衡膨潤となります。

関連:膨潤

むしれ

むしれとは、Oリングに生じる故障のひとつです。Oリングがつぶし代の分だけ切り取られている状態を指します。

メガパスカル

メガパスカルとは、圧力や応力を表すSI(国際単位系)単位です。Paで表され、M=106、1Pa=1N/㎡となります。MPa。

関連:耐圧性

メチルシリコーンゴム

メチルシリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつです。置換基が全てメチル基のみのシリコーンゴムで、ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)に比べて加硫が困難である他、耐熱性や圧縮永久歪みなどが劣ります。尚、Oリングに使用されることは稀です。ジメチルシリコーンゴム。MQ。Methyl Silicone Rubber。

メチルビニルシリコーンゴム

メチルビニルシリコーンゴムとは、一般にシリコーンゴム(VMQ)と呼ばれている原料ゴムの正式名称です。シロキサン骨格のケイ素原子に付く置換基が殆どメチル基2個で、架橋点としてビニル基が導入されています。VMQ-70やVMQ-50といったOリング材質(ゴム材質)に用いられています。ビニルメチルシリコーンゴム。VMQ。Methylvinyl Silicone Rubber。

メチルフェニルビニルシリコーンゴム

メチルフェニルビニルシリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつです。シロキサン骨格に付く置換基がメチル基、フェニル基(ベンゼンから水素原子1個を取り除いた形の1価の官能基−C6H5)、及びビニル基から成るシリコーンゴムのことを指します。フェニル基の導入によって耐熱性や耐寒性、物性などが向上していますが、圧縮永久歪みが劣ることからOリングに用いられることは稀です。フェニルメチルビニルシリコーンゴム。PVMQ。Methylphenylvinyl Silicone Rubber。

メッキ処理

メッキ処理とは、Oリングなどのゴム製品の製造に用いる圧縮成形金型に於いて、主に酸化還元反応(錆)などによる劣化防止や成形品の離型性向上を目的として、硬質クロムや無電解ニッケルなどで表面を被膜することです。試作用など一部の金型を除き、殆ど全ての金型に施工されます。

関連:製造方法

モールド

モールドとは、Oリングなどのゴム製品を製造する為の設備(副資材)のひとつで、所謂金型のことです。多くのOリングは一体金型による圧縮成形によって生産されている為、それぞれのサイズに対して一品一様のモールドが必要です。但し、送り焼き成形が可能な大口径Oリングについては、その限りではありません。また、同じサイズのOリングであっても、収縮率の違いからモールドを共用できない材質があります。金型。

モジュラス

モジュラスとは、エラスチックモジュラスの略称で、外力によってゴム材質に生じる応力と歪みの比のことを指します。弾性率。

モノマー

モノマーとは、重合によってポリマーを生成する小さな分子量の化合物のことです。単量体。

関連:原料ゴム






































選定のヒント(専門用語)

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