Oリングをはじめとするシール材(パッキンやガスケット)を適正にお選び頂く為に、規格や仕様ほか、生産や設計、使用などに係る幅広い専門用語をまとめて解説いたします。製品の選定と最終的な判断はお客様ご自身にお願いしておりますが、参考として活用して頂ければ幸いです。
ラジカルとは、不対電子を持つ原子または原子団のことです。有機合成反応や重合反応に関与します。また、ゴム材質の劣化に於いて重大な影響を及ぼしています。遊離基。
ラバーシートとは、連続加硫によって生産された板状のゴム製品のことを指すのが一般的です。但し、高い製品品質が要求される場所で使用されるものの多くは、圧縮成形によって生産されています。ゴム板。
ランダム共重合とは、モノマーの配列に秩序のない高分子からなる共重合のことです。
リークレートとは、真空部品などの密閉性を判断するのに用いられる指標のひとつで、リークテスターと呼ばれる漏れ試験機によって測定される漏れ量のことを指します。因みに測定で使用するガスにはHeが多用されていますが、その場合の測定値をHeリークレートと呼びます。
リーチとは、REACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of CHemicals)の日本に於ける通称です。欧州連合(EU)による化学物質とその安全性に関する法律です。桜シールOリングについては、材質別の対応を行っています。REACH。
力学的非線形性とは、応力と歪みの関係に線形性が見られないことです。ゴム材質の大変形領域はこれに該当します。
離型傷とは、圧縮成形に於いてOリングなどのゴム製品を金型から取り出すときに生じる欠損のことです。過加硫や金型設計の不備、離型剤の不足、取り出し操作の不手際などに因ります。
離型剤とは、Oリングなどのゴム製品の圧縮成形に於いて、架橋された製品を金型から外し易くする為に用いられる薬剤の総称です。加工助剤として原料ゴムに配合される内部離型剤と、プレス工程で金型に塗布される外部離型剤に分類されます。
流動パラフィンとは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。炭素数の多いアルカンの混合物を指し、軟化剤として使用されています。
硫酸バリウムとは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。BaSO4で表される化学的にも物理的にも安定した物質で、白色顔料や補強性充填材として使用されています。
ループとは、ゴム材質の網目構造に於ける欠陥のひとつです。鎖の両端が同一の架橋点に結合している為、弾性に寄与しない構造を指します。
劣化とは、ゴム材質の特性が低下する不可逆的な変化の総称です。熱や光、接触流体(気体や液体)などに因って発生し、化学的、或いは物理的な尺度で判定されます。
連鎖反応とは、反応系の中で生成した、或いは添加された少量の活性種が、反応伝達物質を繰り返し生成しながら継続的に進行する反応のことです。ゴム材質の熱老化(酸化劣化)に於ける自動酸化は、連続反応に該当します。
連続加硫とは、ゴム板などの長尺製品を連続的に加硫することです。蒸気加硫管によるもの、流動床によるもの、加熱オーブンによるものなどがあります。
老化とは、熱や光、接触流体(気体や液体)などの影響を受け、ゴム材質の外観や物性が時間と共に低下する現象の総称です。但し、ゴム材質に於いては、一般に熱老化のことを指します。
老化試験とは、ゴム材質の耐老化性を評価する試験のことです。一般に耐熱試験のことを指します。<JIS K 6257, ISO188>
老化防止剤とは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。酸素やオゾンによるゴム製品の劣化を遅延させる目的で、酸素ラジカルと反応して水素を放出し易い化合物などを原料ゴムに混合します。
ローズとは、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)の日本に於ける通称です。欧州連合(EU)が公布した危険物質に関する制限の指令のことを指します。桜シールOリングについては、材質別の対応を行っています。RoHS。
ロールとは、オープンロールに使用されている棒状部材のこと、若しくはオープンロールの略称です。
ロール間隙とは、オープンロールに於けるロール同士の隙間のことです。混練り作業では、バッチ量やゴムの状態からロール間隙を調整してゴムを練り上げます。また、分出しのゴム厚みはロール間隙で決定します。
ロールストックガイドとは、オープンロールに使用される部材のひとつです。ロールに沿った形状のプレートを両端に取り付けることで、混練り中のゴムがはみ出して軸受けに侵入するのを防止します。ゴム寄せの一部が破損してゴムコンパウンドに混入することがある為、単純な構造ながら注意して保守を行う必要があります。ゴム寄せ。