選定のヒント【は行】

Oリングをはじめとするシール材(パッキンやガスケット)を適正にお選び頂く為に、規格や仕様ほか、生産や設計、使用などに係る幅広い専門用語をまとめて解説いたします。製品の選定と最終的な判断はお客様ご自身にお願いしておりますが、参考として活用して頂ければ幸いです。

Oリング選定ガイドライン

パーオキサイド加硫

パーオキサイド加硫とは、有機過酸化物を添加して架橋することです。水素引抜反応で分子鎖に生成したラジカルが再結合されます。この方法で架橋されたゴム材質は、硫黄加硫を用いたものと比較して耐熱性や耐酸化性が優れます。過酸化物架橋。

パーオキシラジカル

パーオキシラジカルとは、ハイドロパーオキサイドから誘発されたラジカルのことです。Peroxy Radical。

関連:熱老化

パーティクル

パーティクルとは、半導体の製造工程に於いて悪影響を及ぼすnm(ナノメートル=10?9メートル)レベルの微粒子のことを指します。Oリングの耐プラズマ性では、ラジカル化したプロセスガスによる重量減少を抑えられるかだけではなく、パーティクルの発生源になり難い設計が為されているかも重要な要素となります。

パーティングライン

パーティングラインとは、圧縮成形によるOリングなどのゴム製品に於いて、型割り面や金型分割部分が製品表面に線状の跡となって残っている部分のことです。製品の性能を損ねる場合があり、Oリングでは許容限度が定められています。PL。

パーフルオロエラストマー

パーフルオロエラストマーとは、原料ゴムのひとつであり、主鎖の全てがC−F結合で形成されているフッ素ゴムの総称です。極めて優れた耐薬品性や耐熱性を示し、半導体製造装置や化学装置、石油掘削装置などで、Oリングをはじめとするシール製品に使用されています。尚、一般にエラストマーとゴムは区別されない為、パーフルオロゴムなどと表記されることもあります。パーフロロエラストマー。FFKM。Perfluoro Elastomer。<ISO 1629, ASTM D 1418>

パーフルオロポリエーテルエラストマー

パーフルオロポリエーテルエラストマーとは、フッ素化ポリエーテルを主骨格とした原料ゴムの総称です。信越化学工業社の商品名であるサイフェル(SIFEL)の通称でも知られ、極めて優れた耐薬品性と耐低温性を兼備しています。FFKO。

パーフロ

パーフロとは、原料ゴム或いはゴム材質としてのFFKM(パーフルオロエラストマー)に対して広く用いられている略称であり、高機能ゴムの代名詞的な存在です。フッ素ゴム(FKM)に含まれるC−H結合が全く無く、C−F結合のみで形成されていることから、極めて優れた耐薬品性や耐熱性を示します。半導体製造装置や化学装置、石油掘削装置などで、Oリングをはじめとするシール製品に用いられています。

パーフロロエラストマー

パーフロロエラストマーとは、原料ゴムのひとつであり、主鎖の全てがC−F結合で形成されているフッ素ゴムの総称です。極めて優れた耐薬品性や耐熱性を示し、半導体製造装置や化学装置、石油掘削装置などで、Oリングをはじめとするシール製品に使用されています。尚、一般にエラストマーとゴムは区別されない為、パーフロロゴムなどと表記されることもあります。パーフルオロエラストマー。FFKM。Perfluoro Elastomer。<ISO 1629, ASTM D 1418>

パーフロロゴム

パーフロロゴムとは、原料ゴム若しくはゴム材質としてのFFKMに対する別称です。パーフルオロエラストマー(パーフロロエラストマー)と称されるのが一般的ですが、常温でゴム弾性を示す高分子材質のことを指すエラストマー(Elastomer)を、同義で広く使われているゴム(Rubber)に呼び変えたのが始まりと考えられます。尚、以前はゴムのことは天然ゴム(NR)を指すものとし、合成ゴムを指すエラストマーとは区別されてきました。しかし現在では同義と看做されています。Perfluoro Rubber。

パーマネントセット

パーマネントセットとは、ゴム材質に対して変形を加え、その負荷から開放して放置しても元に戻らずに残存する歪みのことです。永久歪み。<JIS K 6273, ISO 2285>

バイアスカット

バイアスカットとは、バックアップリング(Oリング補助部品)の形状のひとつです。環状構造の一箇所に斜めの切断面があり、装着性に優れていることから最も広く使用されている形状です。T2。

ハイカー

ハイカーは、原料ゴム或いはゴム材質としてのNBR(ニトリルゴム)に対する通称として広く用いられていました。但し、厳密にはデュポン社(アメリカ合衆国)の生産していた原料ゴム(NBR各種)に係る商品名です。Hycar®。

配合ゴム

配合ゴムとは、原料ゴムに配合剤を混練りした未加硫ゴム配合物、つまりは架橋される前のゴム材質のことです。ゴムコンパウンド。

配合剤

配合剤とは、ゴム材質に用いられる原材料に於いて、加工性や製品性能の良化、或いは価格調整を目的として原料ゴムに加えられる物質のことです。

詳細:配合剤

配合設計

配合設計とは、ゴム材質に適切な特性を付与できるように、原料ゴム及び配合剤の種類や添加量、配合比率などを適正に決定することを指します。尚、配合設計とその配合表(配合組成表)は、ゴム製品メーカーにとってノウハウの根幹に係る内容である為、具体的な内容を開示することは殆どありません。

ハイドロパーオキサイド

ハイドロパーオキサイドとは、過酸化水素の水素1原子をアルキル基などの有機原子団で置換した化合物のことです。ゴム材質が酸化劣化する際の中間生成物で、ROOHで表されます。Hydroperoxide。

関連:熱老化

バイトン

バイトンは、原料ゴム或いはゴム材質としてのFKM(フッ素ゴム)に対する通称として広く用いられています。但し、厳密にはデュポン社/ケマーズ社(アメリカ合衆国)の生産する原料ゴム(FKM各種)に係る商品名です。Viton®。

バイトンETP

バイトンETPとは、デュポン社/ケマーズ社(アメリカ合衆国)の生産する原料ゴム(FFKM-E)に係る商品名です。また、FFKM-Eを用いたゴム材質に対する通称としても知られています。Viton® ETP。

パイメーター

パイメーターとは、周長(LE)から直径を測ることが出来る計測器のひとつです。Oリング内径(ID)の簡易測定に用いられることがあります。ダイヤメーター。

破壊面

破壊面とは、Oリングなどのゴム製品に生じた亀裂によって新たに形成された表面のことです。破壊時の環境条件などを反映する表面形態を呈する場合が多いことから、破壊の原因やメカニズムなどを解析するフラクトグラフィーの対象となります。破面。

白化

白化とは、Oリングなどのゴム製品の表面が、ブルーミングによって白くなることです。

白色補強剤

白色補強剤とは、原料ゴムに配合してゴム材質の物理的性質を向上させる補強性充填材の内、白色のものを指します。シリカなどが該当します。

関連:配合剤

パスカル

パスカルとは、圧力や応力を表すSI(国際単位系)単位です。Paで表され、1Pa=1N/㎡となります。Pa。

関連:耐圧性

裸蒸し加硫

裸蒸し加硫とは、被加硫物の外面が直接加熱蒸気に触れる状態で行う蒸気加硫のひとつです。押出成形によるゴム製品に広く採用されています。

破断

破断とは、Oリングなどのゴム製品が切れて破壊されてしまうことです。ゴム材質に一軸伸長を与えて破断させると、完全な分断と同時に応力は急激に低下します。

関連:引張試験

破断伸度

破断伸度とは、一軸伸長を与えたゴム材質の破断点までの伸びのことです。初期に対する比率(%)で表します。伸び率。<JIS K6251, ISO 37>

詳細:伸び率

パッキン

パッキンとは、回転或いは往復運動する機械部品の隙間から流体の漏れを防ぐ為に使用するシール部品の総称です。運動用Oリングやオイルシールなどが該当します。運動シール。<JIS B2401, JIS B2402, JIS B2403, JIS K6380>

バックアップリング

バックアップリングとは、Oリングなどのシール製品の耐圧性を向上させる為の補助部品です。製品が密封流体からの圧力で変形し、溝の隙間からはみ出してしまうのを防止します。BR。

バックラインディング

バックラインディングとは、圧縮成形によるOリングなどのゴム製品に於いて、バリが発生する部分に生じる凹みなどの欠陥のことです。加硫の温度の上がり易い表面層から進行する為、内部温度が遅れて上昇した際、表面の加硫層が一部キャビティーから押し出されることに起因します。その為、肉厚な製品の製造で発生し易い傾向があります。ひけ。

バッチ

バッチとは、オープンロールやニーダーによって混合した1回分のゴムコンパウンドのことです。

ばね定数

ばね定数とは、ばねの剛性を表す量のことです。ゴム材質では、微小変形領域に於いて応力を歪みで除する形で求められます。<JIS K 6394, ISO 4664>

関連:ゴム弾性

はみ出し現象

はみ出し現象とは、Oリングなどのシール製品を高圧力下で使用した際、シール流体の圧力で製品が変形して溝の隙間からはみ出してしまう現象のことです。

破面

破面とは、Oリングなどのゴム製品に生じた亀裂によって新たに形成された表面のことです。破壊時の環境条件などを反映する表面形態を呈する場合が多いことから、破壊の原因やメカニズムなどを解析するフラクトグラフィーの対象となります。破壊面。

破面解析

破面解析とは、Oリングなどのゴム製品に生じた破壊面の形態を光学顕微鏡などで観察することによって、延性やぜい性、疲労といった破壊の起点や進展の状況を解析することです。破壊の原因、履歴、メカニズムなどを究明したり、新しい製品の設計に活用したりするのに用いられます。フラクトグラフィー。

パラフィン

パラフィンとは、ゴム材質に用いられる原材料(配合剤)のひとつです。直鎖状飽和炭化水素で、分子量の小さいものは流動パラフィンと呼ばれ、分子量が増加すると固体になってワックスと呼ばれます。軟化剤や老化防止剤として使用されています。

関連:配合剤

バリ

バリとは、圧縮成形に於いて、金型分割部分の隙間から溶融して溢れ出たゴム材質がそのままOリングなどのゴム製品の表面に固化付着したもののことです。次工程(仕上げ)で除去されますが、その痕跡(パーティングラインや仕上げ跡)がOリングの性能に影響することもあります。スピュー。

半圧縮型

半圧縮型とは、Oリングなどのゴム製品の圧縮成形で使用する金型の細分類です。圧縮成形用の金型では最も一般的なタイプで、プレス成形機による全圧力を金型で受け、キャビティー内の成形材料には圧力の一部しか掛かりません。セミポジティブ型。

半導体

半導体とは、伝導体と絶縁体の中間の電気伝導度(10-6S/m程度)を持つ物質のことですが、一般的には半導体素子のことを指す略称として使われています。トランジスタやダイオード、或いはその集積回路(ICなど)といった半導体素子はコンタミネーションに弱い為、製造装置で使用されるOリングなどのシール製品には、高度な低パーティクル性(耐プラズマ性)を有する高機能ゴム材質が用いられています。セミコン。

反発エネルギー

反発エネルギーとは、ゴム材質が機械的エネルギーを受けたときに永久歪みにならず、その変形状態から急速に回復して元の状態に戻ろうとするエネルギーのことです。

関連:ゴム弾性

バンピング

バンピングとは、圧縮成形のプレス工程に於ける作業のひとつです。加硫成形が完了する前に金型への加圧を緩め、キャビティー内に残存している空気を外部へ逃がしてエアキズを防止します。尚、真空成形では省略することができます。エア抜き。

汎用ゴム

汎用ゴムとは、通常はタイヤなどで大量に使用されるゴム(天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム)のことを指します。但し、Oリングなどのシール製品で利用されるゴム材質に於いては、JIS B 2401に規定されている材質や石油系の合成ゴム材質のことを汎用ゴム(材質)と呼ぶのが一般的です。

非圧縮性

非圧縮性とは、気体や液体、或いは固体に対して圧力を加えても体積が変化しない性質のことです。ゴム材質は近似的に非圧縮性であり、ポアソン比は約0.5となります。

関連:ゴム弾性

非硫黄加硫

非硫黄加硫とは、硫黄、若しくは硫黄供与剤を使用しない架橋のことです。過酸化物架橋などが該当します。

詳細:加硫

非硫黄変性クロロプレンゴム

非硫黄変性クロロプレンゴムとは、原料ゴムのひとつです。硫黄変性クロロプレンゴムに属さないクロロプレンゴム(CR)の通称で、殆どのOリング材質にはこのタイプが用いられています。

ピーク

ピークとは、ポリエーテルエーテルケトンと呼ばれる熱可塑性樹脂のひとつです。極めて優れた耐熱性や耐薬品性、機械的性質、純粋性などを有しています。PEEK。

光酸化

光酸化とは、ゴム材質の劣化機構のひとつです。ゴム材質が光エネルギーを吸収することによって、分子が分解したり不安定な状態(励起状態)になったりして、酸素があるとハイドロパーオキサイド(酸化劣化の中間生成物)を経て自動酸化に至ります。

非極性溶剤用ゴム

非極性溶剤とは、極性基を持たない有機溶媒のことで、油類の延長上にあるものとして捉えることが出来ます。溶解性の弱い燃料油(ガソリンや灯油)などには2元系フッ素ゴム(FKM)や高ニトリルゴム(NBR)といった汎用材質でも耐性を示しますが、溶解性の強いトルエンやベンゼンなどに対しては、高機能ゴム材質を選択する必要があります。

ひけ

ひけとは、圧縮成形によるOリングに於いて、バリが発生する部分に生じる凹みなどの欠陥のことです。加硫の温度の上がり易い表面層から進行する為、内部温度が遅れて上昇した際、表面の加硫層が一部キャビティーから押し出されることに起因します。その為、肉厚な製品の製造で発生し易い傾向があります。バックラインディング。

非晶質

非晶質とは、原子や分子が不規則な空間配位をして、結晶にあるような周期性が存在しない状態のことです。ゴム材質は非晶質で、常温はガラス転移温度以上であることから軟らかくなります。アモルファス。

微少変形

微小変形とは、力学的に線形性(刺激と応答の間に成立し得る比例関係)の成り立つ範囲の変形のことで、フックの法則などによる簡単な解析が可能です。

ビスフェノールAF

ビスフェノールAFとは、架橋剤としてポリオール加硫に用いられる無色透明の針状結晶です。ビスフェノールAFによる架橋では、耐熱性や耐薬品性の良好なゴム材質が得られる傾向があります。

歪み

歪みとは、外力や熱などによってゴム材質に生じた伸縮変形の割合(垂直歪み)やせん断変形の割合(せん断歪み)のことを指します。

引張応力

引張応力とは、引張荷重を受けるゴム材質の限界強さを指し、100%の伸びを与えた際の弾性率のことを100%引張応力といいます。

引張試験

引張試験とは、引張強さや伸び、引張応力などを測定する試験のことを指します。<JIS K 6251, ISO 37, ASTM D 412>

詳細:引張試験

引張弾性率

引張弾性率とは、引張荷重を受けるゴム材質の接線弾性係数(歪みに応じた応力の瞬間的な変化率)のことです。ヤング率。

関連:ゴム弾性

引張強さ

引張強さとは、ゴム材質に一軸伸長を与えた際の破断時の強度のことです。引張試験で求められます。<JIS K 6251, ISO 37>

詳細:引張強さ

引張伸び

引張伸びとは、一軸伸長を与えたゴム材質の破断点までの伸びのことです。初期に対する比率(%)で表します。伸び率。<JIS K 6251, ISO 37>

詳細:伸び率

比抵抗

比抵抗とは、試験片を一辺が1mの立方体として、その電気抵抗を換算したものです。単位はΩ・cmで表されます。体積抵抗率。<JIS K 6271>

ビニリデンフルオライド系フッ素ゴム

ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムとは、一般にフッ素ゴム(FKM)と呼ばれている原料ゴムの正式名称です。2元重合体(2元系)はFKM-70(4D)など、3元重合体(3元系)はフロロパワー3FといったOリング材質(ゴム材質)に用いられています。FKM。Co-polymers of Vinylidene Fluoride。

ビニル基

ビニル基とは、エチレンの水素原子1個を取り除いた形の官能基−CH=CH2のことです。

関連:原料ゴム

ビニルメチルシリコーンゴム

ビニルメチルシリコーンゴムとは、一般にシリコーンゴム(VMQ)と呼ばれている原料ゴムの正式名称です。シロキサン骨格のケイ素原子に付く置換基が殆どメチル基2個で、架橋点としてビニル基が導入されています。VMQ-70やVMQ-50といったOリング材質(ゴム材質)に用いられています。メチルビニルシリコーンゴム。VMQ。Vinylmethyl Silicone Rubber。

非補強性充填材

非補強性充填材とは、ゴム材質の増量の為に用いられる充填剤のことです。炭酸カルシウムやタルクなどが該当します。

関連:配合剤

標準試験用油

標準試験用油とは、JISに規定されているゴム材質の耐油性試験に用いる標準油のことです。燃料油、アルコール添加燃料油、潤滑油、そしてサービス油の各種油が定められています。<JIS K 6258, ISO 1817, ASTM D 471>

関連:耐油性

標線

標線とは、伸びの測定に於いて試験片に付けられる印のことです。試験片の中央部から一定の間隔で平行線が付けられます。ベンチマーク。

関連:伸び率

平パッキン

平パッキンとは、ワッシャー状の固定用シール(ガスケット)のことで、平ガスケットなどとも呼ばれています。大半はゴム板からの打ち抜き加工によって製作されていますが、圧縮成形やゴムチューブのスライス加工などによるものもあります。フランジに挟んで締め付けて使用されるものが殆どです。

ビン加硫

ビン加硫とは、ゴムコンパウンドの貯蔵中に発生するスコーチ(早期加硫)のことです。

品質等級

品質等級とは、未使用Oリングの外観基準に於ける3段階の許容限度のことです。JIS B 2401では、表面欠陥の種類をバリやひけ(バックラインディング)といった項目に分類し、等級(N、S、及びCS)別に各項目の最大許容限度を規定しています。尚、一般に流通している殆どの規格Oリングは、等級Nに準じて製作されています。グレード。

詳細:品質等級

フィラー

フィラーとは、ゴム材質の補強や増量などの為に用いられる配合剤のことです。無機充填材と有機充填材に細分類されます。充填材。

関連:配合剤

フィラー分散

フィラー分散とは、ゴムコンパウンドの製作に於ける原料ゴム中への充填材(フィラー)の分散のことを指します。補強性充填材は非補強性充填材と比較して分散し難い為、より強い混練りが必要です。

フェニルビニルメチルシリコーンゴム

フェニルビニルメチルシリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつです。シロキサン骨格に付く置換基がメチル基、フェニル基(ベンゼンから水素原子1個を取り除いた形の1価の官能基−C6H5)、及びビニル基から成るシリコーンゴムのことを指します。フェニル基の導入によって耐熱性や耐寒性、物性などが向上していますが、圧縮永久歪みが劣ることからOリングに用いられることは稀です。メチルフェニルビニルシリコーンゴム。Phenylvinylmethyl Silicone Rubber。PVMQ。

フェノール樹脂

フェノール樹脂とは、フェノール類とホルムアルデヒドとの付加縮合反応により得られる熱硬化性樹脂のことです。ベークライト。PF。

不具合

Oリングの使用に係る不具合は、その多くが材質選択や装着方法の不備に起因しています。不具合の発生に於いては、不具合現品の外観状態などを調査することで原因を特定し、適正な対策を講じる必要があります。

復元力

復元力とは、変位を与えた物体が元の状態に戻ろうとする力のことです。ゴム材質は、ゴム弾性によって特に高い復元力を有しています。

関連:ゴム弾性

分出し

分出しとは、Oリングなどのゴム製品の製造に於いて、オープンロールなどを用いて所定の厚さと幅、長さのシート状ゴムコンパウンドを作製する工程のことです。シーティング。

詳細:分出し

ブチルゴム

ブチルゴムとは、原料ゴムのひとつです。イソブテンと少量のイソプレンを共重合した合成ゴムで、耐薬品性や耐寒性に優れますが、反発弾性はゴムに於いて最低のレベルです。IIR。Butyl Rubber。

フッ化ビニリデン

フッ化ビニリデンとは、CF2=CH2で表される無色の気体のことで、フッ素ゴム(FKM)の主原料です。VDF。Vinylidene Fluoride。

フックの法則

フックの法則とは、弾性限界を超えない範囲では物体に生じる応力が歪みに比例することです。

関連:ゴム弾性

物性

Oリングの物性は、材質の硬さ、圧縮永久歪み、引張強さ、伸び率、そして100%引張応力によって評価するのが一般的です。尚、それらの物性は各々を単独で捉えるのではなく、総合的に判断する必要があります。<JIS K 6251, JIS K 6253, JIS K 6262, ISO 37, ISO 48, ISO 815, ISO 7619, ASTM D 412>

詳細:物性

フッ素ゴム

フッ素ゴムとは、一般には最も流通量の多いビニリデンフルオライド系(FKM)の2元系フッ素ゴムを指します。但し、本来フッ素ゴムとはフッ素原子を含むゴムの総称のことなので、ビニリデンフルオライド系(FKM)以外にも、テトラフルオロエチレン・プロピレン系(FEPM)やパーフルオロ系(FFKM)なども含まれます。それらフッ素ゴムの数々は、フッ素原子の導入効果から総じて耐熱性や耐薬品性などに優れており、ニトリルゴムのような石油系合成ゴムとは一線を画す性能を有しています。尚、各種フッ素ゴムの成形は、桜シール社が最も得意としている分野です。Oリングやオイルシールといったシール製品に限らず、大小様々な形状を成形しています。

フッ素樹脂

フッ素樹脂とは、フッ素含有モノマーの重合によって得られる樹脂の総称です。代表的なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、射出成形(溶融可塑化した材料を金型へ高速充填して行う成形方法)が容易なテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などが該当します。

フッ素樹脂コートOリング

フッ素樹脂コートOリングとは、ゴム材質の粘着性による作業性の低下(Oリング同士の貼り付きなど)を軽減することを目的として、表面に5.1〜20.3μm程度のフッ素樹脂(PTFE)コーティングを施したOリングのことです。粘着性を軽減する方法の中では比較的安価ですが、Oリング装着した後に効果は持続しません。Oリングの使用中も長時間に亘って粘着性の低減効果を持続させる必要がある場合は、フロロアップシリーズによるOリング材質を推奨いたします。PTFE被膜Oリング。

物理的ブレンド

物理的ブレンドとは、化学反応を伴わずに異なる種類のポリマーを混合することです。PVC(ポリ塩化ビニル)の物理的ブレンドによってニトリルゴムの耐候性を良化したPVCブレンドアクリロニトリルゴムなどがあります。

不凍液用ゴム

不凍液に接触するゴム材質は、エチレングリコールなどに対する耐性が必要です。エチレンプロピレンゴム(EPDM)系の材質などが相当します。クーラント用ゴム。<JASO F404>

太さ

Oリングの寸法表記に於いて太さとは、Oリング断面の直径を指します。Oリングの寸法は太さと内径で表記するのが一般的ですが、Oリングの装着に於いて外周面が重要になる場合などでは、外径も併記されることがあります。「線径=(外径−内径)/2」。線径。W。

詳細:寸法一覧

ブナ

ブナは、原料ゴム或いはゴム材質としてのNBR(ニトリルゴム)に対する通称として用いられています。但し、厳密にはランクセス社(ドイツ連邦共和国)の生産している原料ゴム各種(NBRやBRなど)に係る商品名です。Buna®。

不飽和ゴム

不飽和ゴムとは、主鎖に二重結合や三重結合を持つゴムのことです。ニトリルゴム(NBR)などのジエン系ゴムが相当し、その多くは耐候性(耐オゾン性)に劣ります。

フラクトグラフィー

フラクトグラフィーとは、Oリングなどのゴム製品に生じた破壊面の形態を光学顕微鏡などで観察することによって、延性やぜい性、疲労といった破壊の起点や進展の状況を解析することです。破壊の原因、履歴、メカニズムなどを究明したり、新しい製品の設計に活用したりするのに用いられます。破面解析。

プラズマ用ゴム

プラズマ用ゴムとは、プラズマによってラジカルな状態となった気体からの影響を受け難いゴム材質のことを指します。ラジカルな気体はあらゆる物質にアタックしますが、その中でもゴム材質は特に影響を受け易く、気体の種類によっては架橋が切断されたり、充填物質(パーティクル)が外部に放出されたりといった現象が発生します。

フラッシュバック

フラッシュバックとは、圧縮成形によるOリングなどのゴム製品に於いて、バリが発生する部分に生じる凹みなどの欠陥のことです。加硫の温度の上がり易い表面層から進行する為、内部温度が遅れて上昇した際、表面の加硫層が一部キャビティーから押し出されることに起因します。その為、肉厚な製品の製造で発生し易い傾向があります。ひけ。

ブリード

ブリードとは、Oリングなどのゴム製品から液体(配合剤)が滲み出る現象のことです。

詳細:ブリード

プリコンパウンドゴム

プリコンパウンドゴムとは、とは、加硫剤や加硫促進剤といったスコーチ(早期加硫)に係る一部の配合剤が含まれていない配合ゴムのことです。

ブリスター

ブリスターとは、Oリングなどのゴム製品を加熱した際、内部に含まれている空気(ガス)が膨張して製品が膨れることです。また、高圧によって製品内部に浸透した空気(ガス)が、急速減圧によって内部に滞留したまま膨張して製品を破裂させてしまう現象を、ブリスター現象といいます。

ブルーミング

ブルーミングとは、Oリングなどのゴム製品の表面に配合剤が移行して、被膜となったり結晶化したりする現象のことです。ブルーム。

ブルーム

ブルームとは、Oリングなどのゴム製品の表面に配合剤が移行して、被膜となったり結晶化したりする現象のことです。ブルーミング。

詳細:ブルーム

フルオロエラストマー

フルオロエラストマーとは、一般にフッ素ゴム(FKM)と呼ばれている原料ゴムのことです。2元重合体(2元系)はFKM-70(4D)など、3元重合体(3元系)はフロロパワー3FといったOリング材質(ゴム材質)に用いられています。ビニリデンフルオライド系フッ素ゴム。Fluoroelastomer。

フルオロシリコーンゴム

フルオロシリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつです。シロキサン骨格に付く置換基がメチル基、トリフルオロプロピル基、及びビニル基から成っています。トリフルオロプロピル基の導入によってシリコーンゴム(VMQ)と比較して耐油性が遥かに向上しており、また極めて優れた耐寒性を有しています。フロロシリコーンゴム。FVMQ。Fluorosilicone Rubber。

フルコンパウンドゴム

フルコンパウンドゴムとは、スコーチに係る加硫剤や加硫促進剤なども含む配合剤の全てが添加された配合ゴムのことです。

ブレーキ油用ゴム

ブレーキ油用ゴムに接触するゴム材質は、植物油などに対する耐性が必要です。エチレンプロピレンゴム(EPDM)系の材質などが相当します。

プレス成形

プレス成形とは、Oリングなどのゴム製品の製造工程、若しくはその工程を含む製造方法のことです。キャビティーにゴムコンパウンドが入った状態の金型を加熱した加硫プレスの熱板に設置し、熱板を通じて金型を加圧することで架橋と成形を同時に行います。圧縮成形。

ブレンダー

ブレンダーとは、オープンロールに付属する装置のひとつです。切り返しを機械的に行うことが出来ます。ストックブレンダー。

フローマーク

フローマークとは、Oリングなどのゴム製品に於ける製造上の成形不良のひとつです。加硫成形に於いて、ゴムコンパウンドが金型内を流動した痕跡が模様として製品表面に残ってしまったもののことです。尚、亀裂状のものをフロークラック、線状のものをフローラインと細分類する場合があります。

関連:外観基準

プロ練り

プロ練りとは、スコーチ(早期加硫)に係る加硫剤や加硫促進剤なども含む配合剤の全てが添加された配合ゴム(フルコンパウンドゴム)を混練りする作業のことです。B練り。

フロロアップ

フロロアップとは、桜シール社の生産する特殊性能(低粘着性、低摩擦性、低固着性、及び低アウトガス性)フッ素ゴム材質に掛かる商品名です。フロロアップシリーズとして、それぞれの性能を複合的に有する材質の各種がラインナップされています。FU。フロロアップ®。

フロロアップD

フロロアップDとは、低固着性と低アウトガス性に優れる特殊なフッ素ゴム材質です。長時間に亘って接触した相手材への固着が発生し難く、高真空用途にも適しています。但し、保管には注意が必要です。FU-D。フロロアップ®

フロロアップFFEX

フロロアップFFEXとは、低粘着性や低摩擦性に優れる特殊なパーフロ(FFKM)材質です。フロロアップとしての特殊性能(低粘着性や低摩擦性、低固着性、低アウトガス性)だけでなく、極めて優秀な耐薬品性と耐熱性を兼ね備えています。FU-FFEX。フロロアップ®。

フロロアップK

フロロアップKとは、低粘着性や低摩擦性に優れる特殊なフッ素ゴム材質です。摩擦抵抗の軽減が材質に由来している為、後加工によるフッ素樹脂コートなどとは異なり、長時間に亘ってその性能が持続します。但し、高真空用途には適していません。FU-K。フロロアップ®。

フロロアップS

フロロアップSとは、フロロアップとしての特殊性能(低粘着性や低摩擦性、低固着性、低アウトガス性)全てに優れるフッ素ゴム材質です。但し、高真空用途には適していません。FU-S。フロロアップ®。

フロロアップV

フロロアップVとは、フロロアップとしての特殊性能(低粘着性や低摩擦性、低固着性、低アウトガス性)全てを有するフッ素ゴム材質です。フロロアップ特性自体はフロロアップSよりも劣りますが、高真空用途にも適しています。FU-V。フロロアップ®。

フロロシリコーンゴム

フロロシリコーンゴムとは、原料ゴムのひとつです。シロキサン骨格に付く置換基がメチル基、トリフロロプロピル基、及びビニル基から成っています。トリフロロプロピル基の導入によってシリコーンゴム(VMQ)と比較して耐油性が遥かに向上しており、また極めて優れた耐寒性を有しています。フルオロシリコーンゴム。FVMQ。Fluorosilicone Rubber。

フロロパワー

フロロパワーとは、桜シール社の生産する高機能フッ素ゴム材質に係る商品名です。フロロパワーシリーズとして、過酷な温度条件(高温、低温)や接触流体(溶剤やプラズマなど)に対する耐久性を備える材質各種がラインナップされています。FP。フロロパワー®。

フロロパワーAF

フロロパワーAFとは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の旧標準タイプです。但し、現在では全ての性能が上回るフロロパワーAPなどの新タイプを推奨しています。FP-AF。フロロパワー®。

フロロパワーAF90

フロロパワーAF90とは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の旧耐圧タイプです。但し、現在では全ての性能が上回る新タイプのフロロパワーAP90を推奨しています。FP-AF90。フロロパワー®。

フロロパワーAP

フロロパワーAPとは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の標準タイプです。耐強酸性や耐強アルカリ性、耐アミン性といった優秀な耐薬品性や耐熱性、耐蒸気性、更にはゴム材質としては珍しい低着香性や耐放射線性なども備えています。FP-AP。フロロパワー®。

フロロパワーAP90

フロロパワーAP90とは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の耐圧タイプです。耐強酸性や耐強アルカリ性、耐アミン性といった優秀な耐薬品性や耐熱性、耐蒸気性、耐放射線性などに加え、その硬さ(A90)から耐圧性も兼ね備えます。FP-AP90。フロロパワー®。

フロロパワーAPC

フロロパワーAPCとは、半透明のフッ素ゴム材質です。アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の半透明低硬度タイプに当たります。耐強酸性や耐強アルカリ性、耐アミン性といった優秀な耐薬品性や耐蒸気性、更にはゴム材質としては珍しい低着香性や耐放射線性なども備えています。FP-APC。フロロパワー®。

フロロパワーAPHW

フロロパワーAPHWとは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の耐熱強化(270℃クラス)白色タイプに当たります。汎用のフッ素ゴムには無い耐熱性や耐薬品性(強酸や強アルカリ、アミン、蒸気などに対する強い耐性)を有し、ノンカーボンの白色材質でありながら物性面も良好です。様々な産業での活躍が可能なゴム材質ですが、特にCVDプロセスでは耐プラズマ(ハロゲンラジカル)性と価格優位性の両立を実現します。FP-APHW。フロロパワー®。

フロロパワーAPP

フロロパワーAPPとは、極めて優れた低溶出性を有するフッ素ゴム材質です。アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)によるゴム材質の極低溶出タイプに当たります。耐強酸性や耐強アルカリ性、耐アミン性といった優秀な耐薬品性や耐蒸気性、耐放射線性などに加え、高純度薬品などにも洗浄工程不要で使用できる極低溶出性を備えています。尚、素手で製品に触れるなどすると、ナトリウムやカルシウムといった不純物が付着する原因となります。桜シール社による梱包はご使用の直前まで開封することなく維持し、製品を取り出す際にも細心の注意を払うようにして下さい。FP-APP。フロロパワー®。

フロロパワーAPR

フロロパワーAPRとは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)に放射線(γ線、x線、電子線)を照射することで架橋を行い、特殊な性能を持たせたゴム材質です。耐プラズマ性のグレードとして開発されましたが、現在ではフロロパワーFFTやフロロパワーFFR、フロロパワーFFDRといった、酸素ラジカルにもハロゲンラジカルにも優れた耐性を持つ新タイプを推奨しています。FP-APR。フロロパワー®。

フロロパワーAPT

フロロパワーAPTとは、ガラス基板の搬送ローラーにタイヤとして取り付けるOリング専用の特殊フッ素ゴム材質です。ガラスの搬送中にOリングが空回転し難いグリップ力(摩擦性/粘着性)を有しながら、ガラスにタイヤのゴム痕が残り難い低固着性(耐転写性)を兼備しています。但し、一般のシール(パッキン/ガスケット)用途には、全く不向きな材質です。FP-APT。フロロパワー®。

フロロパワーDD

フロロパワーDDとは、導電性が付与された3元系フッ素ゴム(FKM)によるゴム材質です。体積抵抗率が2.5×104(Ω・cm)程度なので、静電気が溜まり難く、帯電が防止されます。FP-DD。フロロパワー®。

フロロパワーDEB

フロロパワーDEBとは、バイトンETPの通称で知られる特殊フッ素ゴムによるゴム材質のひとつです。部分的にはパーフロ(FFKM)系の材質に近い耐薬品性を有しながら、価格優位性に優れています。FP-DEB。フロロパワー®。

フロロパワーDEP

フロロパワーDEPとは、極低溶出性(アセトンやトルエン、メタノールのような溶解性の高い液体に対して金属イオンの溶出量が10ppb未満)の特殊フッ素ゴム材質です。基材のバイトンETP(FFKM-E)に由来する有機溶剤に対する耐性から、半導体用レジスト液のシール材などに適しています。尚、素手で製品に触れるなどすると、ナトリウムやカルシウムといった不純物が付着する原因となります。桜シール社による梱包はご使用の直前まで開封することなく維持し、製品を取り出す際にも細心の注意を払うようにして下さい。FP-DEP。フロロパワー®。

フロロパワーDEW

フロロパワーDEWとは、バイトンETPの通称で知られる特殊フッ素ゴムによるゴム材質のひとつです。フロロパワーDEBの白色タイプに当たり、部分的にはパーフロ(FFKM)系の材質に近い耐薬品性を有しながら、価格優位性に優れています。FP-DEW。フロロパワー®。

フロロパワーDL

フロロパワーDLとは、耐寒性が強化された3元系フッ素ゴム(FKM)によるゴム材質です。総じて耐寒性に劣るフッ素ゴムにあって低温領域(−35℃クラス)でも弾性を失わず、耐強酸性をはじめとする耐薬品性や耐蒸気性などの性能も兼ね備えています。FP-DL。フロロパワー®。

フロロパワーDPR

フロロパワーDPRとは、アフラスの通称で広く知られるテトラフルオロエチレン・プロピレン系フッ素ゴム(FEPM)に放射線(γ線、x線、電子線)を照射することで架橋を行い、特殊な性能を持たせたゴム材質です。耐プラズマ性のグレードとして開発されましたが、現在ではフロロパワーFFTやフロロパワーFFR、フロロパワーFFDRといった、酸素ラジカルにもハロゲンラジカルにも優れた耐性を持つ新タイプを推奨しています。FP-DPR。フロロパワー®。

フロロパワーFF

フロロパワーFFとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。高機能ゴム材質に於いて中心的な存在であるパーフロ材質の標準タイプに当たり、最高峰の耐薬品性を有しています。FP-FF。フロロパワー®。

フロロパワーFFCS

フロロパワーFFCSとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。主に高温域での動的用途に向けて、耐熱性能と圧縮永久歪み性能の強化が図られています。開閉運動が繰り返される箇所に使用されるシール部材などに適しています。FP-FFCS。フロロパワー®。

フロロパワーFFDR

フロロパワーFFDRとは、プラズマ(酸素ラジカル及びハロゲンラジカル)用途に向けて専用の設計が為されたパーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。酸素ラジカルに耐性を持つグレードの中では下級に位置し、液晶ディスプレイ製造などのドライプロセスに適しています。FP-FFDR。フロロパワー®。

フロロパワーFFH

フロロパワーFFHとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の耐熱強化(300℃クラス)旧タイプに当たり、高度な耐薬品性と耐熱性を有しています。但し、現在では全ての性能が上回るフロロパワーFFSをはじめとする新タイプを推奨しています。FP-FFH。フロロパワー®。

フロロパワーFFHW

フロロパワーFFHWとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の耐熱強化(280℃クラス)+白色の旧タイプです。現在では、全ての性能が上回るフロロパワーFFSWをはじめとする新タイプを推奨しています。FP-FFHW。フロロパワー®。

フロロパワーFFH90

フロロパワーFFH90とは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の耐熱強化(280℃クラス)+高硬度タイプに当たり、最高峰の耐薬品性と高度な耐熱性に加え、その硬さ(A90)から耐圧性にも優れています。また、耐ブリスター性に於いて、ISO 23936-2(RGDテスト規格)の認証取得を完了している材質です。FP-FFH90。フロロパワー®。

フロロパワーFFN

フロロパワーFFNとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の耐熱強化(300℃クラス)+充填材無添加(ノンフィラー)タイプに当たり、高度な耐熱性と耐薬品性を兼ね備えています。尚、プラズマ用途ではハロゲンラジカル全般(フッ素ラジカルや塩素ラジカル、臭素ラジカルなど)に適していますが、酸素ラジカルに対してはフロロパワーFFTやフロロパワーFFR、フロロパワーFFDRといった、ハロゲンラジカルは勿論のこと酸素ラジカルにも優れた耐性を持つ新タイプが推奨されます。FP-FFN。フロロパワー®。

フロロパワーFFP

フロロパワーFFPとは、極低溶出性(アセトンやMEK、トルエンなどのような溶解性の高い液体に対して金属イオンの溶出量が0.5ppb未満)のパーフロ(FFKM)材質です。基材のパーフロロエラストマーに由来する有機溶剤に対する耐性と合わせ、半導体ウェット工程の薬品シール材として最高峰の性能を有しています。尚、素手で製品に触れるなどすると、ナトリウムやカルシウムといった不純物が付着する原因となります。桜シール社による梱包はご使用の直前まで開封することなく維持し、製品を取り出す際にも細心の注意を払うようにして下さい。FP-FFP。フロロパワー®。

フロロパワーFFR

フロロパワーFFRとは、プラズマ(酸素ラジカル及びハロゲンラジカル)用途に向けて専用の設計が為されたパーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。酸素ラジカルに耐性を持つグレードの中では中級に位置し、半導体製造などのドライプロセスに適しています。FP-FFR。フロロパワー®。

フロロパワーFFS

フロロパワーFFSとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の耐熱強化(330℃クラス)黒色タイプに当たり、白色タイプのフロロパワーFFSWと並んで上級グレードの耐熱性と極めて優れた耐薬品性を兼ね備える高機能ゴム材質です。FP-FFS。フロロパワー®。

フロロパワーFFSG

フロロパワーFFSGとは、現行のゴム材質に於いて世界最高峰となる370℃クラスの耐熱性を備えたパーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。産総研によって開発されたナノマテリアルのSGCNTが配合されており、極めて優れた高温特性を持つ反面、大変高価であるという欠点があります。FP-FFSG。フロロパワー®。

フロロパワーFFSW

フロロパワーFFSWとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の耐熱強化(330℃クラス)白色タイプに当たり、黒色タイプのフロロパワーFFSと並んで上級グレードの耐熱性と極めて優れた耐薬品性を兼ね備える高機能ゴム材質です。半導体などの電子産業に於いてCVDや拡散プロセスの高温プラズマ(ハロゲンラジカル)環境で効果を発揮する他、様々な分野で幅広い活躍が可能なゴム材質です。FP-FFSW。フロロパワー®。

フロロパワーFFT

フロロパワーFFTとは、プラズマ(酸素ラジカル及びハロゲンラジカル)用途に向けて専用の設計が為されたパーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。酸素ラジカルに耐性を持つグレードの中でも上級に位置し、半導体製造のドライプロセスに於ける最も過酷な環境に焦点を当てて開発されています。FP-FFT。フロロパワー®。

フロロパワーFFW

フロロパワーFFWとは、パーフルオロエラストマー(FFKM)によるゴム材質のひとつです。パーフロ材質の白色タイプに当たり、最高峰の耐薬品性に加え、低パーティクル性にも優れています。FP-FFW。フロロパワー®。

つづき

選定のヒント(専門用語)

選定 ABC DEF GHI JKL MNO PQRS TUV WXYZ 数字